buzz-buzz!! 「あ、名前ちゃん!!」 学校からの帰り道、どこからか懐かしい声がして、私は辺りを見回した。 「ツナだ!どうしたの?」 私の幼馴染のツナが笑ってそこにいた。 ツナも学校帰りらしく、制服を着こんでいる。 いつものように、ツナの両隣には、獄寺くんと山本くん。 「偶然、名前ちゃんを見かけて。久しぶりだったから、声をかけたんです」 「そっか…!でも本当、久しぶりだね」 そう言って笑った。 「元気?」 「はい!名前ちゃんは?」 「うん、私も元k…」 元気だよ、と答えようとしたら、ふわりと体が浮いた。 慌てて見上げれば、目を隠す金髪の前髪、不敵な笑みを浮かべた口元が見えた。 「ベ、ベル!?」 「えぇ!?何でヴァリアーが!?」 私とツナが声を上げたのはほぼ同時。 私とツナはベルに抱えられて宙を移動しているようだ。 それにしても、細いベルのどこにこんな力があるんだろう…。 「しし、ボスへの手土産にいいの見つけちゃった。王子天才」 「ザンザスの所へ行くの!?」 「うわー、久しぶり」 「名前ちゃん、悠長なこと言ってる場合じゃないですよ!」 ヴァリアーのみんなとは、リング争奪戦のときに一緒だった。 私はヴァリアーに人質としてさらわれたんだけど、なんだかんだ言ってみんなと仲良くなってしまった。 「着ーいた!ボスー!!手土産ー!!!」 「う゛お゛ぉ゛ぉ゛い゛、うるさいぞ、ベル!」 ベルが声を上げれば、すぐに部屋の扉を開けて出てきたスク。 「うるさいのはスクアーロだっての。王子がせっかく名前と沢田綱吉を連れてきたのに」 「あら、名前ちゃん、久しぶりじゃない!」 「ルッス姐さん!」 ベルに抱え込まれている状態から解放され、ルッス姐さんの元へ駆け寄る。 ルッス姐さん…変わってないな…。 まあ、あれからそんなに年月経ってないもんね。 「やあ名前。また来たのかい」 「マーモンじゃない、元気?」 「別に特に変わりはないよ」 ふわふわ飛びながら言うマーモン。 つっけんどんな口調だけど、照れてるのがわかる。 「レヴィも興奮してるぜ、しし」 そう言うベルの声が聞こえたけど、無視することにする。 「お゛ぉ゛ぉ゛い゛、いっきに騒がしくなったな…」 「なんかすみません」 「沢田が謝ることじゃないが…」 「ちょっとスク、その言い方だと、名前ちゃんに失礼でしょ!」 「べ、別に名前が五月蝿いってわけじゃねえぞぉ!」 慌てて言うスク。 その様子にクスリと笑ったとき、突然の破壊音。 そして、視界からスクが消えた。 「うるせぇ。かっ消すぞ」 「こ、この声は…ひぃぃぃぃ」 ツナのビビる声。 コツコツとこちらに向かう足音。 「きゃー!ボスのお出ましよー!」 「ボ、ボス…!」 「げ…」 「寝てたんじゃなかったのかい」 それぞれの戸惑う声。 足音が止まり、煙が消えて、辺りが見えるようになった頃、そこにいたのは… 「ザ、ザンザス…!?」 「騒がしいと思ったら名前か」 「あ…と、ごめんね?」 「ふん」 「ボスがここまで来るなんて珍しいじゃん」 ベルが感心したように言う。 「まあまあ、ボスの気持ちもわかってあげましょ。さあ今日は宴会よー!」 「騒がしいのは苦手だよ」 「そう言わないの、マーモン。たまにはいいじゃない、せっかく名前ちゃんが来てくれたのよ?」 ルッス姐さんはノリノリでエプロンを身に纏っている。 料理はルッス姐さんが作ってくれるのかな? 周りを見れば、他のみんなも楽しそうにしている(ツナだけはビビってるけど…)。 ヴァリアーのみんなの、こういうノリが心地よくて。 大好きで。 別れるとき、ルッス姐さんと一緒に泣いてしまったのを思い出した。 「あ、そうだわ、名前ちゃん、手伝ってくれる?」 「…私でいいなら」 「よろしくねー!ボス、何が食べたい?」 ルッス姐さんが聞くと、ボスはごく当たり前のように。 「肉だ、肉!!」 end.(2012,6,11 修正2012,8,29) ・・・・・・・・・・・・・・・ 物凄く遅くなってしまい、申し訳ありません! おまけに閉鎖とかもう言い訳のしようもなく…。 思う存分石投げちゃってください! あ、少し解説しますと、buzz-buzzは日本語訳すると、「がやがや」といったような効果音らしいです。 出来るだけヴァリアー幹部のみんなと絡んでがやがやしたつもりですが…どうでしょうか? この度はリクエストありがとうございました。 ちなみ様のみ、お持ち帰り可です。 [*前へ] [戻る] |