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「窓から、どうしたの?」
「………プチ兄弟喧嘩して、窓から来た」
ぃゃ、喧嘩と言うよりも抵抗に近かったりもする。
「ちゃんと仲直りした?」
「…あのねぇ、普通女子寮に入れないの。わかる?」
「でも現にいるよ?」
当たり前だ。
そもそも、アレが学校まで押し掛けてきたから避難してきたのだ。
それにより、俺は窓から入ると言ったが、それでは失礼だと反論され、どうするべきかと出たのが、女装して堂々と入り口からと言う意見がでた。
それに抵抗したダケ。
と、説明した。
「それはそれで綺麗だったんだろうな」
「軽薄な発言は止めろ。絶対アイツラ聞いたら本格的にやるから」
「アイツラ?」
「近々行われるライブのために未来が登山中だから」
そう言うと納得してた。
そりゃそうだろう。
部屋は防音で、その気になればキーボードも人目に付かず運び入れることも可能だ。
と、その時……ノック音がした。
そして、実羽いる?って声がした。
「いるよー。ちょっと待ってて」
今日はヤバイか?と思ってると、引っ張られ……大人しくね。と声に?を浮かべるとベッドに倒され上から布団を被された。
そんな自分に哀しくなってると、聞こえる音や声からして辞書を借りに来たらしい。
他に何か喋ってたが、聞く気もないし……段々聞こえなくなっていった。
「明日返すね」
「うん」
「それと……」
雫から驚くべき事を聞いた。
ありがと。と出てったのを見届けてから、大丈夫?と声を掛けると、返答がない。
…………ので、恐る恐る捲ってみた。
「………寝てる?」
相当疲れてたんだ。と思い電気を消して、自分も寝ることにした。
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