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昔の、懐かしい夢を見た。

まだその時は今以上に体力がなく、少し動いたら一時的に寝てしまっていた。


それをわかってる上で、行きたい所があると有坂兄妹に言われ付いてった。
そこは比較的家から近く、いつも連れてってくれる公園とは別の公園だった。

そこで遊んだが、なるべく動かないようにしていた。


しかし、家に着くまで体力が持たず、帰りの道中で寝てしまった。



気づいた時には既に家の近くで、背負られて運ばれていた。


そんな懐かしい昔の夢。





ピピピピッ………。


「………、煩い」

無機質なアラーム音……、そう目覚ましのアラームのような音が耳元で聞こえてくる。

それにウザったく思えて、頭まで布団を被る・・・。



あれ?

被る?

何を?

ぃゃぃゃぃゃ、布団を……



布団!?



確か自分は、墓場にいたはずだ。


なのになんで布団?


手に持った布団の端から顔を覗かせる。
視界には寝る前にはいなかったはずの人がいた。


「ちょい待て、響。起きたでっ」
−ぇ、うそっ−

「嘘言ってどう……って、アホ。手離すな」

暴れるのは勝手だが、人の寝てる上でやらないで欲しい。
そう思いながら再び寝る準備をした。


ら、ヒュンッと風を切る音が聞こえて……、


反射的に避けた。




「はよ起き」
「………起きました」

頭が置かれていた枕には、夾の手に握られていた包丁がぐさりと突き刺さっていた。
ってか、避けなきゃ殺されてたっ。


それよりも何でこの2人がいるのかと一瞬疑問になったが、そう言えば月読がどうのこうのやったからと話してた気がする。
つまり、ぶっちゃけ月読の能力だろう。


「それでさ、ここどこ?」

「どこ言うてもな……」
−涼くんの家としか言いようないし−

ぁぁ、理事長のね。
って、その本人はいるのか?
それよりも枕、包丁刺さってるけど……。


見なかったことにしようと枕を諦め、出来上がってる朝食を食べる。
まぁ、ついでに自分が何でここにいるのかも気にしないでおこう。





そんな訳で、嫌でも行けと言われ、仕方なく指示された場所で立慧を待っていた。



こんな無茶苦茶な生活が2日続いた。


「俺って凄い?」
「なんか言った?」

「何も言ってないけど……」

そう。と何もなかったかのように明日のことを言ってる。
しかし、そんなのは聞き流し、頭の中では……

この領収書どうしようかな?
今からコレの事務所に叩き付けに行こうかな。

と、考えていた。




とりあえず、相手の事務所まで行くのが面倒だったので、桜にでも引き取って貰おうと渡しに行った。




「この領収書の束は?」
「全部立慧の。まだ増えるだから一旦引き取って貰おうと」


そう言うと、引き取ってくれた。
まぁ、多分領収書の使い道が間違えてるとは思うが……。


「それはそうと、今から寮に戻れ」
「……顔色悪く見える?」

「思いっきりな」

この間はちゃんと寝たんだけど……と話す。
と、良く朝起きれたな。と感心された。


「有坂兄妹に殺害されそうになった」
「………ぁぁ、」

「で、枕に包丁が突き刺さった」

ポツリと言ってみた。
死んでるはずの響の話をしたからだろうが、直ぐに理解したらしい。

伊達にデタラメ人間……ん?人間なのか?……デタラメ人間(一部自称)の夜と朔がいるからなのだろうが、奇怪なことでも周りは普通に受け入れている。


「そう言えばお前の思いつきが通ったぞ」
「ぁ、やっぱり」

そして、俺の明日辺りのことと、土曜日に【今後】の話をすること等々を言われた。
それらの予定が終わると、朔を呼んだ。


『どうかした?』
「寮まで行ってくれる?」


仕方なく寮に帰ることにした。




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あきゅろす。
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