6 翌日。 昨晩の奇怪なことを話してると、ピンポーンとチャイムホンが鳴り、更には自動でドアが開いた。 「ぉ、珍しく起きてるな。弟の方にお客さん」 「俺?」 「そぉ、そっち。立慧ちゃんだってよ」 ………ハィ? 寮長である陣内の言葉に行動を止めたのは言うまでもない。 そもそも、何でこの山奥の学校に立慧がいるんだ? 「デートするっつてたけど」 「はぁ?」 「前理事長から極秘で話を聞いたけど、そこまで嫌がるとからかう気も失せるんだけどねぇ」 「人で遊ばないで下さい」 陣内がケラケラ笑ってたが、ふと思い出したように言った。 「ぁ。そうそう、兄の方は10時から第2会議で説明があるからちゃんと行けよ」 「何で俺ですか?しかも日曜日に……」 「何でってお前、去年生徒会長だっただろ」 まぁ日曜日って言うのは、ただ単に最近不真面目な生徒会が書類等に追われてるからだな。 そう言われ、納得してた。 ココの文化祭は指定された中高合同クラスごとで展示物を出さなければならない。 そのクラスの中で1人代表者を選出しなければならない。 これが問題で、昨年の中学生徒会は自動的に代表者となるのだ。 もしクラスが重なった場合は、役割の上の者が代表者となる。 とりあえず…………、 そんな訳で現在街中に居るのだが……。 あっちこっちと人を連れ回される。 まだデパートという冷房の効いた店内だからこそ大丈夫だが、コレが暑さが残る外に出てやられてたら明日は寝て過ごす羽目になるだろう。 って言うか…… 領収書渡せばお金返品してくれる? 立慧にとっては私的なコトだけどさ、俺としては一応仕事って言われてるからさぁ。 「どっちが良い?」 「右」 2種の服を翳すのを見て簡単に答える。 と言うか、どっちを選んでも差ほど大差がない気もする。 そんな調子で、解放された時には既に辺りが暗くなっていた。 面倒だな。と思いつつ朔を呼んで寮へと移動して貰った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |