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「……美味しい家出って何?」
「家出って家を出る事だよね?」

意味が通らないので、2人して桜を見た。

どうやら解読して欲しい。とのことだが、普通分かるはずがない。

美味しい家出して、買い物にキレた。のは多分多数の会話が混じってるのだろうと、朔より判断は出来た。



「ハァ……まず置メモを月が発見した」

大量の買い物に行っていた夜と朔が帰って来て、家出と判断する。
その意味を知らない朔は、美味しい食べ物と勘違いした。

元々半端じゃない買い物の量にキレてた夜は、勘違いを正す事もせず更にキレた。


「……性格上からしてそういうことだろ」

『……凄い』
「お見事」

と、拍手を送った………。




その深夜。
1本の電話が鳴り響いた。

部屋に子機が置いてあるので、出てみれば時差を無視した母からの電話だった。

〈ぁ、わたし私……分かる?〉
「…俺俺詐欺ならぬ私私詐欺も結構です」

と1度目は切ってみた。

ら、再び鳴り……



「もしも……」
〈いきなり電話切るなんて酷いでしょう〉


と、受話器から離れてても聞こえるような叫び声で言われた。

仕方なく会話した。


「日本時間で何時だと思ってんだ?」
〈ん〜と、深夜2時くらい?〉

時間的余裕でしょ?
と明るい声が聞こえる。

確かに時間的に余裕で起きてるが、テンションの高い声は聞きたくない。
とりあえず、相槌をすると……母の口からとんでもないお言葉が……。


「わりぃ。今なんつった?」

〈だからぁ、夜行特性を生かしてエロゲーを〉
「やってない。つかやってるのは父さん」

俺はそこまで人類的に寂しくない。
と呆れながら言う。

〈あら、あの人まだやってるの〉
「こっちに帰ってきたりするとパソコンに残骸とウイルスを全処分するのは俺」

〈あとで叱っとかなくっちゃ〉

叱ってもあの変態には一緒な気がする。
寧ろやる量が増えてる気がするし。

まぁ、どうでもいいだろう。
ちゃんとウイルスだけは返品してるし。


「で、何のようなんだ?」
〈そうそう、迎えに来て欲しいのよ〉

「誰の?」
〈薙くんの〉

そういえば、朔がどうこう言ってたなぁ。
と今更ながら思い出した。

「そっち時間の20時に着くように行く」
〈それじゃ、お土産が買えないじゃない〉

次の日1日あるだろ。と言うとすんなりと了承した。










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