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「ヤメッ[パリン]、……」

止めようとするけれども、ガラス類が割れ……遮られる。




「その能力は、人を殺すためにあるんじゃないのよ」


「おなじだよっ……ぜんぶ!」





「何をそんなに怯えてるの?」



つい先程、注意をするために荒げていた声とは裏腹に、凛とした声が響き渡る。


周囲を破壊してる原因である子供……黄泉は、女性の手が頭に触れたとたん、何かの恐怖に怯えた様子を示した。







「きゃっ……」



だが次の瞬間……能力で女性を壁へと叩き付けていた。
それと同時に崩れるように倒れた。




「っ……よみ、黄泉ッ」


止めようとしてたもう1人の子供が、反応しない身体を揺らしながら名前を呼び掛ける。



黄泉が作った結界が破れたのか、1人の男性が入って来て女性に駆け寄る。






「お前ら、また……っ」
「待って……私が呼んだ、の」



だから……この子達に恨みや憎しみは絶対やめて。と、意識はあった女性が止める。

男性はその言葉に反論を言いたそうだったが、直ぐに居着かない様子で諦めた。





「全て、私のせいなの……」



私が真理さんの様子に気付かなかったから…だから、あの子が怯えてしまったのよ。






「元々黄泉は、………」


身体に負担を掛けてるの。
ちょっとした負荷でも、生死に関わるの。


見付けた時、生きてくれてた時は……本当に安心したのよ。




でもあの子は、必ず私を恨むわ。
決められてた宿命なのよ。






「ね、この子達の区別が出来るのは貴方だけなの」
「………区別?」

「そうよ」


女性は笑いながら肯定した。
そして男性には、恨まず3人を助けてあげてね。と言った。

勿論、3人とは誰のことか判らず聞き返すものの、返答はなかった。








病院に運ばれて、3人の意味がわかった。









「っ………?」

「おいで、」
「?」

女性が呼び掛ける。
すると、不思議そうな反応をしながら女性の元へ向かった。




「この子は副人格。時々あったコトあるはずよ」



あったコトがある?
どういうことなのだろうか。





始めは判らなかった。
病院に運ばれてから……黄泉と言う名前は居なくなった。

だが、徐々に些細な違いに気が付く。




「お願い。あの子のために捜さないであげてね」
「………?」

何でなのか判らないながらも、探す自分と……捜さない自分がいる。





そんなある日、1つのコトに気が付いた。



母親が居たから、全て狂ったんだ。と……。





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