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それから数日。



明日で夏休みが終わるので……久し振りに戻って来た寮室。





「寒い……」
『そりゃ、そうだろ……』


なんせ、冷房温度が最低値で+強だしな。と判りきった解答が夜から返ってきた。





大体そうしている当の本人は、あづい…。と直ぐに直接冷房の風が当たるソファーに倒れた。




「よく冷房病にならないな」
『真夏に長袖、ホットコーヒーもどうかと思うぞ』

「寒いんだよ、こっちは」

こうなってると予想してたので、わざわざ用意していた長袖を着てる。


誰が何のために、冬生まれは寒さに強く、夏生まれは暑さに強い言ったんだ?

そもそも、この日本国内のほとんどの人は冷暖房付きの病院で生んでんだ。
あまり変わらないだろ。


と薙刃は頭の中でキレる。



実際キレても……月が冷房の温度を絶対にあげるはずはないし……誰かの冬生まれ、夏生まれが変わるわけでもない。








「………ぁ、玉子安い」
『ぁー、はいはい』


多分朔に持たせたら、確実に割るよな。と夜は思う。

目の前では冷蔵庫とお話しながら、広告に印を付けていく薙刃の姿。
一体どこでそんな技を身につけたのだろうか。

つーか、何もそこまでしなくとも金がないわけじゃないし、うん。




そして終えたのか、チェック済みの広告を渡された。
だが、その印が半端な量ではない。




『どうやって持てと?』
「持たなくて良いだろ?」

『…………。』


そりゃ、持たなくても買った後冷蔵庫内に移動させれば問題はない。

実に問題はない。


「玉子、2時からだから」
『……2時って、ぉぃ』

「今から行けば十分間に合う」


現在2時、5分前。
特価品は2時から。

仕方なく朔をつれてデパートへ行った。






本当寒いな。と思いつつコーヒーを飲む。

暑いからと動かなかった月が、ムクッと起きた。


「どうした?」
「喉渇いたー」

「何が良いんだ?」



それぐらい自分でやりに行け。


と思われた方……死にます。
確実に死にます。


料理が全く出来ない奴にキッチンは鬼門なのだ。

別に不器用とかいう訳でもないんだが……何故かなぁ。



「今、何がある?」
「コーヒー、紅茶、水」

「じゃぁ、コーヒー」

ホット?と聞くと猫舌のために、中間。という不思議な回答が来た。

ため息を付いてから、作り始めた。





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