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「ホンマか?」
「ホント…残念なことに途中で脅された」
だから、ハッキング対策の方が3つまでしか出来なかったんだよな。
酷いよな。と訴えてるが、誰に脅されたのだろうか。
ぃゃ、コレを脅すなど……人は桜ぐらいに限られてくるが……。
「何かしたの?」
「やっぱり暇つぶしが悪かったかなぁっと」
………………………はい、話が見えません。
ってな訳でちょっくらその時のことを・・・。
平日は学校に行っていて暇と言えば暇なので、お馴染みの社長室のソファーでうつ伏せになって暇を潰していた。
「暇〜」
「何かやってんだろ?」
そう、さっきから何かを打ち込んでいる。
多分暇だからと始めたが……段々飽きてきた。が当たりなのだろう。
「社内に時限爆弾つけて良いか?」
「付けるな」
「……念のために」
「何の念のためだ」
と切り捨てられた。
他にもレーザービームとか?と言ってみるものの全て没となった。
「大体何くだらない事してんだ?」
「………今はハッキング防止用プログラム製作中」
「あっそ。で何をつける予定だ?」
上に乗られながらも……ソファーだから座って当然と言われれば終わり、だから言わないが……聞いてきたので答える。
「1つ目がウイルス流して、・・・」
2,3と続く。
「4つ目が相手を自爆させ、最後に自らが自爆」
「自爆してどうする」
「痛い……」
べしっと頭を叩かれた。
「こっちのカードはまだ使い道があるが、そのプログラムは全く持って必要ないだろ」
「ぇー……折角作ったのに?」
「……今は何番まで出来た?」
「丁度3つ目まで」
と、取り上げてそこでプログラムを終わらせた。
「4,5は?」
「んなもん必要か?」
「必要あるって」
つか、こっちまで自爆したら大問題だぞ?
何、会見で社長自ら自爆装置を作り、自爆させたと報道するのか?
かなり間抜けだろ。ソレ……。
「何のために?」
「俺の暇つぶしの為に」
べしっ・・・。
「そんなに暇なら、今すぐ解消する方法があるが?」
叩いた後そう言って離れ、机上の電話を手にした。
そして11桁のボタンをテンポ良く押した。
携帯と同じく、音の高低差があるので気にすればメロディーに聞こえるだろう。
「ぇ……ちょ、待った」
「…………。」
「作らないから、な」
終了ボタンを押し、説得を試みる。
暫くして諦めたように受話器を戻した。
…………はぁ。
ギリギリセーフ……。
そして、棚から1枚の紙を取り出した。
「なら、ココに記入」
「……ハィ」
安堵したのもつかの間、渡された紙を見ると……。
「ぇーと、桜君?」
「何?」
「この紙は何が言いたいので…ショウカ?」
って、言うか今の電話と同じ内容なのでは?と恐る恐る聞くと……
「話が嫌なら、書くだろ」
と、もっともな答えをおっしゃってくれました。
ぃゃぃゃぃゃ、俺は話すのも書くのも嫌ではなく、その内容が嫌なのだ。
そもそも、社交辞令が嫌で逃亡してたのに、何で社交辞令が伴なうところへと誘おうとするのだろうか。
「考えを改めるとかは……」
「……………。」
少し経ってから、ない。と言った。
ってか、何かもうどうでも良くなって来た。
大体、俺はあくまでもコイツの代理だし、ソレは本部の社長も十分に分かってるはずだ。
否、そうでなければ…なんと言おうが即効辞めてるのだが。
で、話は戻すが……別にコイツがやる事に言う権利がないと思う。
代理なんだし普通なら。
だが……ソレを間に受けているコイツは馬鹿なのだろうか、どうかしてると思う。
部屋の隅でいじけている紗稀に、聞こえない程度にボソっと、馬鹿かお前?と言うがやっぱり聞こえない。
ソレを確かめてから同じ音量で言うと……
「冗談を間に受けるな」
「マジで?」
反応した。
「辞めるなら、徹底的にお前が拒否できないようにしてからにする」
自分でもたちが悪いと思うが、ソレが自分の性格なのでしょうがない。
だが、分かってて直そうとしない所をみると、やっぱりたちが悪いだろう。
「まぁ、今年度中はおとなしく代理やっといてやるよ」
「……問題がなかったら?」
「お前にな」
暫く悩んでから……。
「ってことは自爆装置作れない?」
「作ればいいだろ?」
まぁ、その代わりソレはお前に付けるけどな。
と、言うと……言葉のあやでした。ゴメンナサイ。と返ってきた。
………………と、ココまでがこの間起こったことである。
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