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市内にある精神病院。
その一室に、1人の少年が花を持って訪れていた。





「…………オカアサン」

そろそろ、良いでしょう?
せめて、こんな晴天で空の綺麗な日に逝って欲しいよ。

だから、もう諦めてよ。





ベッドで寝ている女性に悲痛そうに話し掛ける。

そろそろ帰ろうと椅子から立った時、掠れた声がした。

良く聞いてみると、ごめんなさい。と謝りながら自分達の名前を呼んでいる。



どうやら、死ぬよりも命拾いしたらしい。
しかし、直ぐに暴れ初めた。

ナースコールを押し、速やかにその場を離れた。






「………どうだった?」

外で待っていたもう1人の少年が話し掛けて来た。

その返答に左右に首を振る。


「何十秒単位で意識がハッキリしてた」
「そぅ……アレ押した?」

「多分死なない」

そう言いながら、今度は縦に1回頷く。



「どのみち医療の発達で生き延びる」
「ぅん」

解りきってたコトだろ。
確かに解りきってたコトだ。


「ケド………」

「警察内部で迷宮入りになったこの件を調べてる奴がいる」

その言葉にビクッと反応した。


「ちゃんと《未来》が見えてるんだろ?」

その《未来》に変わりはない。
ぃゃ、変えるつもりはない。


「…………俺はな」




最後にそう付け足した。
なんせ、自分がそうだからって周りもそうとは限らない。

だから、とりあえず自分のコトを言ったまでた。



「ほら、収録に遅れるぞ」
「ぇ…もう、そんな時間?」

「時計見てみろ」

と、急いでスタジオに向かった。







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あきゅろす。
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