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◇キミにぞっこん/日吉若


「さて、今日もテニス部見に行きますかー」

「お前、相変わらず好きだな」

「そりゃそうでしょ。テニス部の人達かっこ良いんだもん。そう思わない?」

「俺に振るな」

「なによー、日吉も含まれてるんだよ?」

「は?」

「テニス部でしょキミも。かっこ良いって言ってるの」

「…バカか」

「あ、照れた?」

「照れてない」

「絶対、照れてる」

「…照れてないと言ってるだろ」


照れてない、なんて言いつつもそっぽを向く日吉。
その反応がおかしくて、つい笑ってしまう。


「前から気になってたんだが、お前の目当ては誰なんだ?お前の好みからすると、」

「あ、ほら日吉。早く部活行かなきゃ」

「…そんな時間か」

「それでは私も行きますか!一足先にテニスコート行ってるから、早く着替えて来てよー?」

「なんだその待ち合わせみたいな言い方は」

「気にしないの。私は待ち合わせでも構わないし?」


鞄を持ち、教室のドアへと行く。


「あ、そうそう。言っとくけどね、日吉。私のお目当ての人はー…」

「ん?」


わざとらしく間を置くと、笑顔で言う。


「キミ」

「……っ!?」

「ふふ、顔真っ赤だよ日吉」

「な…、名字、お前どういう」

「それじゃ、また後で」

「あ、おいっ!」


教室を出て、廊下を走りだす。

後ろから日吉の私を呼ぶ声が聞こえたけど気にしない。


「気付かない日吉も案外鈍いなぁ」


随分前からキミが好きなのに。

どんな顔して日吉が部活に顔を出すのかを考えると、なんだが楽しくなる。


「さーて、これからどうなるかなー?」


わくわくする気持ちを感じながら、私は目的の場所へと向かった。









END

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