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君の夢




それは春の頃。


私が中学1年になったばかりの頃だった。


私の両親は交通事故によりこの世を去った。


偶然か奇跡か、私は怪我を負ったけれど助かった。



―どうして。

―なんで。

―なんで…死んじゃったの…。

―お父さん…お母さん…。



両親が死んで1年が経とうとしていた。








君の夢

第1話








両親が死んでからというもの、ずっと深風は引きこもり気味だった。

ショックが大きすぎて学校にも行かなくなり、もうすぐ1年が経とうとしてる。

入学してすぐのことだったからクラスメイトも深風のことを覚えていないだろうし、今更学校に行っても気まずいだけ。

叔父の経営しているマンションでの一人暮らしにも慣れてきて、だいぶ落ち着いてきたとはいえ、今更学校に行く勇気も出ずただ時間だけが過ぎていった。


今日もいつもの様にテレビを見たりして過ごしていた時、携帯電話が鳴った。



「電話?私の携帯に電話なんて…誰だろう?」


携帯は最近叔父に買ってもらったばかりで、叔父以外には番号は教えてない。

画面を見れば携帯電話からだと思われる番号が表示されていて、知らない番号だった。


(…間違い電話?)


そう思って電話には出ないことにした。
知らない番号だからきっと誰かのかけ間違いだろう。


それからしばらく電話が切れるのを待ってみたが、電話は切れない。

しぶしぶ深風は電話に出ることにした。



「もしもし?」


〈…テメーどんだけ俺を待たせる気だ〉


相手からの第一声はこれ。

けれどその声に、深風は聞き覚えがあった。

小さいころから仲が良かった一つ年上の男の子。


「え、景ちゃん…?」

〈お前のその呼び方懐かしいな〉

「やっぱり景ちゃん!久しぶりだね」


電話の相手は跡部景吾。

深風の両親の仕事の関係で、小さい頃に知り合い今でも仲が良い友達。

兄弟のいない深風にとっては兄のような存在だ。

両親が亡くなってすぐの頃は頻繁に会いに来てくれていた。
けれど深風が精神的に落ち着いてきてからは、安心したのか会いに来ることもなくなり、しばらくぶりだった。


「質問なんだけど、どうして私の番号知ってるの?」

〈お前の叔父さんに聞いた。この間携帯を買ってやったって。その時、俺に番号を教えてくれたんだ〉

「なるほど、納得」

〈それはそうと、深風〉

「なに?」

〈氷帝に来い〉

「…は?」


突然で間抜けな声を出したと思う。


(今、景ちゃんはなんて言った?氷帝って景ちゃんのところの学校、だよね…?)


〈手続きはしてある。お前は今度の4月から氷帝の生徒だ〉

「え!?ちょ、ちょっと待って、何それ…!」

〈そのままの意味だ〉


そう言われても意味がわからない。


〈氷帝学園に転校しろ〉


それは突然の出来事だった。








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