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小説
第2話 「出会いと再会」
ヴィレイサーはなのはと再会し、部隊長の部屋へと通される。

「はやてちゃん、入るよ?」

「うん、ええよ。」

なのはの確認に、すぐにはやては答えた。

「ん?
 もしかしてそっちは……ヴィレくん!?」

「久しいな、はやて。」

ヴィレイサーの姿を見て驚いたはやては、椅子から立ち上がり、駆け寄ってきた。

「いや〜、2年ぶりやな。
 今までどうしてたん?」

「それは、フェイトちゃんが来たら話そうよ。
 バラバラだと、ヴィレくんも大変だろうし。」

「話すのも面倒だがな。」

「そういう事言わないの。」










魔法少女リリカルなのはStrikerS─JIHAD

第2話 「出会いと再会」










やがてフェイトも部隊長室に来たので、これまでの事を話す。

「以前の大戦の後、俺は1度家族の所に戻ったんだ。」

「家族って言うと………地球の方の?」

「いや、ミッドのだ。
 なのは、お前の部隊に所属しているスバルは俺の妹にあたるんだ。」

「妹さん!?」

「あぁ。
 俺を助け出してくれた部隊に、スバルの母親がいて、
 俺はその人の家族に加わったんだ。」

「へぇ〜。」

「で、そこに挨拶をした後は、レーベの復興を手伝っていた。
 それ以降は傭兵としてレーベから派遣されて、各地を転々としていたんだ。」

「それはまた、お疲れさんやな。」

「ねぇ、よかったら今からでも六課に入らない?」

「いきなり何言ってんだ?
 前にも言った通り、俺に軍隊は合わない。」

「そんなぁ〜。」

なのはは残念なのか、間延びした声を出す。

「そうだ。
 じゃあ、ヴィレイサーを傭兵としてここで雇うのはどう?」

「なるほど。
 それはええ考えやな。」

「まぁ、それなら俺にも異論は無い。」

静かにそう答え、はやてが出した契約書に記入していく。

「ところで、エクシーガ達は?」

フェイトの問いに、ペンを置いてから、ヴィレイサーは答える。

「エクシーガとヴァンガードはレーベの復興に尽力し、
 リュウビとデュアリスはレーベの傾いた情勢を立て直していたよ。

 時々連絡があるが、ここ最近は無いな。

 どうやらレーベが落ち着いたから、4人でどこかに場所を移したんだろう。」

「そっかぁ。
 4人にも久しぶりに会いたかったのになぁ。」

「で、俺はこれからどう過ごせばいいんだ?」

「えっと、とりあえずヴィレくんの部屋に案内するわ。
 フェイトちゃん、エリオと同室で平気やろうか?」

「大丈夫だと思うよ。」

「ほんなら行こうか。」



◆◇◆◇◆



「ここが、ヴィレくんの部屋やよ。」

「随分と見事な所だな。」

そこへ、訓練を終えた新人の4人がやってきた。

「ヴィレ兄!」

「よう、スバル。 ティアナも。」

「お疲れ様です、ヴィレイサーさん。」

ティアナは礼儀正しく敬礼をする。

そんな彼女の後ろを歩いていた少年と少女が横から顔を出す。

「エリオ、キャロ、この人はヴィレイサーさん。
 傭兵として、私達の部隊に入ってくれたから、挨拶してね。」

「「はい!」」

フェイトの優しい声に、2人は元気よく返す。

「エリオ・モンディアルです。
 よろしくお願いします。」

赤い髪の少年─────エリオがしっかりとした声でヴィレイサーに挨拶をする。

「キャロ・ル・ルシエと言います。
 こっちは、飛竜のフリードリヒです。」

「キュクー。」

桃色の髪をした少女と、懐いている飛竜─────キャロとフリードも元気よく挨拶する。

「ヴィレイサー・セウリオンだ。 よろしく。
 さすがにフェイトが母親だけあって、しっかりとした子達だな。」

「元々だよ。」

「で、エリオ。
 ヴィレくんの部屋、エリオと同室で大丈夫?」

「はい、もちろん構いません。」

「それじゃあ、私達は仕事があるから、案内をお願いね。」

「はい。」

フェイトとなのははエリオに任せ、仕事へと戻って行った。

「それじゃあ、ご案内します。」

「あぁ、頼む。」

エリオが先頭を歩いていき、ヴィレイサーはそれについていく。

「ここが、僕とヴィレイサーさんの部屋です。」

「ありがとう。」

「ヴィレ兄、後で私達の部屋にも来てね?」

「場所は?」

「あ、そっか。
 じゃあ、私がヴィレ兄を案内するよ。」

「わかった。
 じゃあ、荷物を置いたらすぐに行く。」

「は〜い。」

嬉しいのか、スバルは笑みを浮かべてそれに答えた。



◆◇◆◇◆



「お久しぶりですね、ヴィレイサーさん。」

「そうだな、エリオ。」

ヴィレイサーは部屋に入り、エリオに言われる。

「フェイトからお前の事を紹介されて、色々と話したのが………。」

「2年前ですね。」

ヴィレイサーの代わりにエリオが答えた。

「そうだったな。
 丁度、エクシーガとの戦いが終わって1ヵ月ほどだったな。」

「部屋の使い方は後ほど。
 今は、スバルさんの所へどうぞ。」

「気遣いありがとうな。
 すまない、恩に着る。」

荷物を邪魔にならない所に置き、出ていく。

「待たせたな。」

「大丈夫だよ。
 じゃあ行こう?」

「あぁ。」



◆◇◆◇◆



「それにしても、お墓参りの時に会えなかったのは残念だったなぁ………。」

「すまないな。
 どうしてもレーベの方を優先したかったんだ。」

「仲間思いなのもいいけど、家族の方も気遣ってよね。」

「あぁ………それはギンガに耳に胼胝ができるほど言われたよ。」

「ギン姉、心配性だからね。」

「それは家族皆そうだろ?
 俺達は同じ遺伝子を持っている兄妹なんだからな。」

「そうだね。」

「で、お前の部屋は?
 部屋に案内してくれるんだろ。」

「は〜い。」



◆◇◆◇◆



1つの扉の前に到着し、ここが自分の部屋だと、スバルは言う。

「ティア〜、ただいま〜。」

「おかえり、スバル。」

「スバルさん、おかえりなさい。」

中に居るティアナとキャロがスバルを出迎え、ヴィレイサーを招く。



◆◇◆◇◆



しばし談笑してから、部屋を出て、適当に隊舎内をふらつく。

「ヴィレイサー。」

背後から声をかけられ、振り返ると、そこにはフェイトがいた。

「よう。 どうした?」

「別に用は無いんだけど、迷子にならないか気になったから。」

「なるかよ。
 迷ったら窓から出て入り口に飛んで行けばいいし。」

「アハハ………。」

ヴィレイサーの提案に、フェイトは苦笑した。

「まぁいい。
 お前、暇なら案内してくれないか?」

「うん、いいよ。
 じゃあ行こうか。」

先に歩きだしたフェイトの後を、離れ過ぎない歩調でついていく。

「それにしても、ヴィレイサーは2年前と変わらないね。
 髪が伸びたぐらいだし。」

「最終決戦でエクシーガにバッサリと切られて以降、ほっといたんだけど、
 中々あの頃ほどの長さには戻らねぇな。
 だが、お前は少し変わったな。」

「そ、そうかな?
 あんまり変わってないと思うけど………。」

ヴィレイサーに言われ、フェイトは首を傾げる。

「自分じゃあ気付かないもんだ。
 いい女になったと思うぜ、フェイト。」

「あ、ありがとう………//////////」

「別に他意は無いからな。」

ヴィレイサーの言葉に、フェイトは高揚したが、次の言葉に、ションボリとした。

「そ、それじゃあ、次は訓練場に行こう。」

「そうだな。」



◆◇◆◇◆



「ここが訓練場だよ。」

「そうは言っても、何も無いな。」

「見てればわかりますよ。」

そう言ったのは、眼鏡をかけた、長い茶髪の女性だった。

「あ、ヴィレイサー、こちらロングアーチのシャーリー。
 私の副官でもあるの。」

「初めまして。
 お噂はなのはさん達から聞いてますよ。」

「どんな噂を流しているんだ、アイツらは………。」

「そんな困った事じゃありませんよ。
 ただ戦闘は強い。 それだけですよ。」

「ならいいがな。」

「それじゃあ、訓練場を展開しますね。」

シャーリーは傍にあったパネルを操作する。

すると、ビルが立ち並んだ訓練場に早変わりした。

「これはまた、見事だな。」

ヴィレイサーは簡潔にそれだけ言う。

「ところで、これから何をするんだ?」

「実は、シグナム副隊長が模擬戦をしたいと、先程から………。」

シャーリーが一点を指しながら言う。

「模擬戦好きなのは2年経っても相変わらずか………。」

嘆息し、シグナムが待つ所まで歩いていく。



◆◇◆◇◆



「久しいな、シグナム。」

「そうだな、ヴィレイサー。」



◆◇◆◇◆



「ねぇ、スバル。
 ヴィレイサーさんってどれくらい強いの?」

「さぁ?
 私も詳しい事はよく知らないけど………。
 以前所属していた部隊では、よく母さん達に厳しい訓練をさせられてたらしいよ。」

「ふーん。」

ヴィレイサーとシグナムが模擬戦を行うと聞き、スバル達も見物しに来た。



◆◇◆◇◆



「さぁ、お前の実力が変わってないか、私が見定めてやろう。」

レヴァンティンを抜き放ち、シグナムは言葉に楽しみを滲ませながら言った。

「低下していないかどうか心配だから助かるよ。
 遠慮せずに全力で来いよ。」

「もちろんだ。」

ヴィレイサーもエターナルを抜き、構える。

互いの刃が光を反射させ、戦いがもう間もなく始まろうとしていた。





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