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小説
第1話 「邂逅」
魔法少女リリカルなのはWars
第1話 「邂逅」

「き、貴様は、いったい・・・。
 う、うわぁー!?」

誰かの叫び声の後には、たった1人の青年だけがいた。

しかし、彼が叫び声をあげた訳ではない。
叫び声の主は、青年によって「消された」のだ。

それは何故か?

その理由は、とあるロストロギアより創りだされた、いわゆる『人形』だからだ。
とは言っても、見た目は普通の人間と大差はない。

その上、彼らはロストロギアによる自己修復機能などがないため、
致命傷を受ければ、普通に死んでしまう。

「これで、創世主(クリエイター)の手先は残り27人か。」

その場に残っている青年がポツリと呟くと、

[Yeah.] 彼の右手にある太刀が応えた。


─3日後─

「それじゃあ、そろそろ海鳴市に帰ろうか。」

「そやね。十分に遊んだしなぁ。」

「うん。」

と、3人の女性が話していた。

1人目の女性は高町なのは。

2人目は八神はやて、そして最後に発言したのが、フェイト・T・ハラオウンだ。

3人とも、凄腕の魔導師だ。

彼女たちは、休暇を利用してこのミッドチルダに遊びに来ていたのだ。


「いやぁ〜、結構満喫出来て良かったわ。」

「だねぇ。」

と、そんな他愛もない話をしていると、遠方で爆発が起こった。

「な、何っ!?」

「アクネリア工場の方みたいだけど・・・。」

「急いだほうがよさそうやな。」


Side:???

同時刻。
海上に浮かぶ大きな岩、もとい、岩に覆われた島にも動きがあった。

「ヴィレイサー、アクネリア工場で爆発が起こったわ。
 三提督からの指示で、
 新型デバイス「MSシリーズ」を奪取しようとしている部隊を殲滅するようにとのことよ。」
と、ヴィレイサーに通信していた女性が言う。

「了解。」 彼は短く返し、出撃しようとする。


彼の名は、「ヴィレイサー・セウリオン」。

髪は藍色で、男にしては女性のように長く、
頭上付近は、癖っ毛なせいか、少し跳ねているが、気にする程の事ではない。

瞳は両目とも紫色で、その奥には、かなりの強さが見てとれる。


「行くぞ。エターナル。」 彼はデバイスに問い掛けた。

[Yes,Leader.]

全身を漆黒のバリアジャケットで身を包み、彼はその場を飛び立った。

Side:ヴィレイサー 了




Side:創世主軍

・アクネリア工場
「よし。3つのMSデバイスの機動を確認。
 システム、オールグリーン。」

MSデバイス(マギリング・スーツ・デバイス)を機動中の3人の内のリーダー格の男が、
それぞれのデバイスの機動を確認している。

その近くで、工場内の見回りをしていた、
まだあどけなさの残る、淡い空色の髪をした少年が言う。

「よっしゃぁっ。 コイツで大暴れするぜぇ。」

「何言ってんのよ、リグル。 大暴れは無理でしょう?
 出来る限り速く逃げるって、東に言われたんだし。」

リグルと呼ばれた少年に、金髪の女性は言った。

女性と言っても、年齢より大人びて見えるだけなのだが。

「んだよ、セナ。
 お前は、つまんなくねぇのか?」

「命令なんだからしょうがないでしょう。」

「命令、命令って、いつもながらに固いねぇ。」

「命令は絶対よ。」

「もう少し融通利くようにしてくれんかねぇ。」

リグルとセナが言い合いに成り掛けたその時、リーダー格の男が嘆息混じりに振り返った。

「いい加減にして、とっととこれを装備しろ。
 そろそろ、管理局のやつらが来てもおかしくないからな。
 それに、なるべく管理局と関わるのは御免だ。
 俺たちの目的、忘れたわけではあるまい。」

「了解だよ。 ラギの兄貴。」

「すみません。 ラギさん。」

その会話を最後に、3人はそれぞれのMSデバイスを装備し、外に出た。

Side:創世主軍 了


外には既に何人かの武装局員が待機していた。

ざっと見、30人前後だろうか。

「さっさと片付けて離脱するぞ。」

「セナ、お前は左っかわの方を頼むわ。」

「了解よ、リグル。」
と言って、3人はすぐに行動を開始した。


「悪いが、貴様らに捕まる気もなければ、かかずらっている暇もない。」

ラギは右手に装備しているマギリング・ライフルを局員の武装、
もしくは腹部に当て、確実に戦闘意欲をなくしていく。

それでも、応援を呼ぼうとする者には、背部にある大きな筒型の兵装ポッドを展開し、
ミサイルを放ち阻止している。


「けっ、雑魚ばっかつうのはやっぱりつまんねぇなぁ。」

リグルはライフルではなく、胸部に配置された砲を放ちながら、
接近してきた局員に対して、ランスで応対している。


「稼動限界時間まで、あと20分か。」

セナは腰部にあるサーベルで、次々と局員を薙ぎ払っていく。


そして、わずか3分程で、局員全員が気絶、或いは戦闘意欲を削がれていた。

「よし、リグル、セナ、離脱するぞ。」

「了解。
 ん? ラギさん、大型な魔力反応が3つ。
 しかもこちらに向かって来ています。」

「何? 予定外だな。」

そうこうしている内に3人の魔導師が現場に到着した。

なのはたちだ。

「っ! これは・・・。」

そんな3人のなかで最も素早く動き出したのがフェイトだった。

「そこの3人、所属と名前は?」

しかし、彼ら3人はもちろん答えるわけもなく、撤退を開始した。

「っ! 逃がさない。」

フェイトは勇猛果敢に1番近くのセナへと一気に肉薄した。

「ふん。」

だが、セナは簡単にフェイトをいなし、逆にサーベル引き抜いて攻めてきた。

「くっ。」

フェイトはそれをかわすも、連携をしてきたラギに苦戦を強いられた。

リグルの方も、フェイトの援護をしようとするなのはとはやてを牽制していた。


「もらったぁっ。」

セナがフェイトに斬りかかろうとしたとき、

「っ!?」

セナは右方向からの砲撃を紙一重で何とかかわし、フェイトから距離をとった。


その瞬間、フェイトと瀬奈の間に、漆黒のバリアジャケットを着た、青年が降り立った。

「標的を確認。これより排除行動を開始する。」

左腰部にある太刀を引き抜きながら、彼は言った。

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あきゅろす。
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