小説 思い出 ☆ 「ふーむ……」 「はやてちゃん、どうかしたですか?」 主、八神はやての神妙な声を聞きつけたリインフォースUが、可愛らしく小首を傾げながら問う。 「うん、ちょっと応募したい企画があるんやけど……」 「どれです?」 「これや」 「えっと……え? いや、流石にこれは……」 はやてが指差した雑誌の企画を見て、さしものリインフォースUも苦笑いしてしまう。彼女の無茶振りはよくあるが、流石にこれは無理があるだろう。 「はやてちゃんのことですから、自分じゃなくて他の人のものにするんですよね?」 「それは当たり前や。そうやないと恥ずかしいし」 自分は恥ずかしいと言い切れるのに、それを他の人にやらせるのもどうかと思うが、特賞は確かに豪華だ。応募したい気持ちも分からなくもない。 「リインお姉ちゃん、遊ぼ?」 「リカちゃん。ちょっと待っていてくださいね」 と、そこへまだ幼い少女がやってきた。快活な彼女の名前はリカ。はやての部下が、ある事件で両親を失った彼女を引き取り、そして恋人となった男性と正式な養子になろうとしている最中の少女だ。 まだまだ子供だが、明るくて利発な女の子だけあって、この隊舎ではマスコット的存在になりつつある。 (…これなら、もしかしたら……) そこでふと、はやてにある考えがよぎった。彼女は早速カメラを取り出すと、少し設定を弄ってからリカに渡した。 「リカちゃん、写真を撮ってみたくないかな?」 「写真?」 「うん。こないだお父さんに教わっていたやろ? その写真を見せてもらったんやけど、上手やったからもっと見たいなぁって」 「ほんと? えへへ♪」 自分が撮った写真を褒められて、リカは上機嫌になる。渡してもらったカメラはコンパクトなので、リカが持っても重たくないようだ。 「そのカメラ、リカちゃんにあげるよ」 「え、でも……」 「あ、もしかしてお父さんから色々貰いすぎちゃダメって言われているん?」 「うん」 (相変わらず過保護やなぁ……) はやてが苦笑いするのも無理はなかった。リカの新しい父親として頑張っているヴィレイサーは、かなりご執心のようだ。ただ、それも頷けるほどリカは可愛いと思う。 「じゃあ、とりあえず貸してあげるってことで」 「はーい♪」 「それと、これはお願いなんやけど……リカちゃん、キスって分かるかな?」 「キス? お父さんとお母さんが、ちゅーってしてるの?」 「そう。まさしくそれや。 可能だったらでええから、その場面を写真に撮ってくれへんかな?」 「うん、いいよ」 あっさりと了承してしまったリカに、はやてはなんだか自分が悪いことをしているような錯覚に陥るが、これも豪華賞品のためだ。背に腹は代えられまい。 「あ、もちろん練習で他の人がしているところでもええよ」 「じゃあ、いっぱい撮ってくるね」 「はい、行ってらっしゃい」 うきうきとした足取りでカメラを持って出て行ったリカを見送り、はやては仕事に戻った。 「あれ? リカちゃんはどこですか?」 「あ、ちょっとお使い頼んだから行ってもうた」 「えー!? せっかく早く仕事を終わらせようとしたのに……はやてちゃん、酷いですよー!」 剥れるリインフォースUの顔を見て、この表情も写真におさめてもらえばよかったかもしれない──そう思ったのは、内緒だ。 ◆◇◆◇◆ 「んーっと……あ、スバルお姉ちゃんだ!」 最初は誰を撮ろうか──そう悩んでいるリカの前を、スバルが通り過ぎていく。急いで追いかけていくと、食堂に入っていくのが見えた。 「えっと……?」 その出入口で立ち止まり、ちょこちょことカメラを弄ってみる。どうやら前にヴィレイサーから貸してもらったものと同じ操作をすればいいようだ。少し試し撮りをしてから、リカは再びスバルを追いかけた。 「あれ、リカちゃん。こんな所で何しているの?」 「コルトお兄ちゃん」 うろうろしていると、ケーキの乗ったお皿を持ったコルトに出くわした。彼はスバルと恋人同士だと聞いているので、リカは彼の後についていくことに。ほどなくして、スバルを見つけることができた。 「スバルお姉ちゃん、一緒に居てもいい?」 「うん、もちろん」 今、リカの両親は仕事に出払っていていないのだ。こういう時、必ず誰かが構ってあげられるように待機していることが多い。もちろん、普段は両親のどちらかが待機しているのだが、時には一緒に仕事に出向かなくてはならないときだってある。 「リカちゃん、そのカメラはどうしたの?」 「はやてお姉ちゃんに貸してもらったの。リカ、写真撮るの上手なの」 「そうなんだ。じゃあ、早速撮ってみて」 スバルはコルトの傍に座り直し、彼と寄り添うように並ぶ。その間コルトは少し頬を赤らめていたが、その頬は嬉しそうに緩んでいる。 「はい、チーズ」 やがてシャッターが切られ、件の写真を見せてもらう。綺麗に撮れていて、スバルは早速自分のデバイスに送ってもらう。 「もっと撮ってもいい?」 「いいよ」 「リカは、どういう写真を撮りたいの?」 「んっとね。スバルお姉ちゃんとコルトお兄ちゃんが、ちゅーしてるところ撮りたい!」 「「え?」」 オブラートに包まず、直球ど真ん中で伝えられた言葉。その思わぬ一言に、2人とも顔を見合わせ、すぐに頬を赤らめる。しばらく返事もできずに黙っていると、不安に思ったのかリカが「ダメ?」と上目遣いに聞いてきた。 (うぅ、その顔は……) (卑怯だよね) そんな表情をされては、断ることも断れない。それでも中々実行に移せないでいる2人に、しかしリカは我儘も言わず笑顔で待ち続けていた。 「そ、それじゃあ……」 「え、ほ、本当にするの?」 やがてスバルが開口し、コルトは赤らんでいる頬を更に紅潮させていく。 「そりゃあ恥ずかしいけど……でも、リカに言われたらしたくなっちゃったなぁ、なんて」 「そ、そっか」 スバルの言葉にコルトは逃げ道がないことを認識し、諦めてスバルと向き直った。両手をそっと肩に置くと、目を閉じて受け入れる仕草を取ってくれた。 カメラで撮影されていることをなるべく意識しないように──そう考えれば考えるほど、逆に意識してしまって口付けできない。そんなコルトの戸惑いを察したのか、やがてスバルの方から顔を近づけ─── 「んっ」 ───唇を重ねた。 「ありがとう、お姉ちゃん、お兄ちゃん♪」 邪魔をしては悪いと思ったのか、リカはあっという間にその場から離れて行ってしまった。残された2人は顔を見合わせ、また顔を赤くしていくのだった。 ◆◇◆◇◆ 「んっと、次は……」 カメラで撮影した写真を眺め、リカは次なる相手を探すに向かう。リカの頭に浮かんだのは、ティアナとブルズのカップルだった。とは言えティアナとブルズはガードかたいので簡単にうまくいくはずもない。まだ子供のリカにはそんなことが分かるはずもなく、探し回る。 「あ、ブルズお兄ちゃん」 「おう、リカ。ヴィレイサーさん達と一緒じゃないのか?」 「お父さんたち、今日はお仕事なの」 「そっか。じゃあ、しばらく俺と遊ぶか?」 「うん♪」 ブルズに連れ添われながら、リカはちょこちょことカメラを弄っていく。すると、シャッター音の変更画面が出た。なんとはなしにそれを変更していると、ブルズの部屋についた。 「ティア、いるか?」 遠慮がちな問いかけに、しかし返る言葉はなかった。彼の後ろについて入っていくと、ティアナがぐっすり寝ている姿が見えた。ブルズが駆け寄るのを見て、リカはカメラを構えてズームしていく。 「おいおい、こんなところを撮るのか?」 「うん。ダメ?」 「いや、ダメじゃないけど……」 リカが写真を撮ったからと言ってかんかんに怒るとは思えない。だが、ティアナとしてはあまり心地好い物とは言えないだろう。 「ねぇねぇ」 「ん?」 「ブルズお兄ちゃんは、ティアナお姉ちゃんが寝ている時にいたずらとかしないの?」 「何で?」 「お父さんが言ってたの。ブルズお兄ちゃんは、ティアナお姉ちゃんのことが好きだから、寝ている時もいたずらするかもって」 (あの人は子供に何を教えているんだ……) リカの前で溜め息をつかないよう注意しながら、苦笑いする。 「そうだなぁ……まぁ、しなくはないかな」 「そうなんだ。例えば?」 「た、例えばって……こう、撫でたりとか」 「…それっていたずらになるの? リカが寝ている時、お父さんとお母さんも撫でてくれるよ?」 「うっ……いや、それは……」 子供の純粋な問いに、ブルズは答えを導き出せなくなる。以前、レオンとヴィレイサーが揃って子供の好奇心は大変だと漏らしていたのを聞いたことがあるが、まさか自分がそれを味わうことになろうとは、思ってもいなかった。 「ほっぺにちゅーってしないの?」 「おい、リカ……それって、まさか」 「みゅ?」 明らかに怪しい──そう思いはしたものの、リカは何を言おうとしているのか分かっていないようで、可愛らしく小首を傾げている。 (そんな、まさかな) 考え直し、ブルズは腕を組んでうーんと考え込む。 「まぁ、しなくはないかな」 「そっか。ブルズお兄ちゃんとティアナお姉ちゃん、とっても仲良しなんだね♪」 「おう。…ためしに、してみるか」 まさかリカに唆されて、寝ているティアナにキスをすることになろうとは思わなかったが。とは言え、彼女からすれば唆しているつもりはないのだろう。 ティアナを軽くゆすってみるが、特に反応はない。それをチャンスと考え、ティアナの頬へと口づけし、そしてゆっくりと離すと─── 「ブ〜ル〜ズ〜?」 「よ、よう。お目覚めか?」 ───ちょうど目を覚ましてしまった。 それから一拍置いて、小気味良い音が響いたのは言うまでもない。 「いてて……あ、あれ? リカはどこ行ったんだ?」 何をして遊ぼうか話し合おうと思ったブルズだったが、いつの間にかリカがいないことに気がついて部屋を出たところを見回してみたものの、その姿を見つけることはできなかった。 ◆◇◆◇◆ 「えっと、後は……レオンお兄ちゃんと、なのはお姉ちゃんだけかな?」 思わずティアナがブルズを思い切り引っ叩いたところも撮ってしまった。しかしリカとしてはよく撮れているので消す気はない。じっと写真を見ながら歩いていると、ヴィヴィオとザフィーラが一緒にいるのが見えた。 「ヴィヴィオお姉ちゃん! ザフィーラ!」 「あれ、リカ?」 「今は1人か?」 「うん。あのね、レオンお兄ちゃんとなのはお姉ちゃん、どこにいるかな?」 「多分、部屋にいると思うよ。一緒に行こっか」 「うん♪」 お姉ちゃん気分のヴィヴィオと手を繋ぎ、レオンらがいる部屋へと向かっていく。その間、カメラのことが話題に上がり、今まで撮ってきた写真を見せることに。 「わ、凄いね、リカ。写真上手に撮れているよ」 「ほんと? えへへ、良かった♪」 褒めてもらえたのが余程嬉しいのか、満面の笑みを浮かべるリカ。その笑顔も写真におさめられればいいのにと思いはするものの、撮り手がいなくては意味がないだろう。 「あ、パパ達だ」 と、ヴィヴィオが指差した方を見やると、確かにレオンとなのはが仲睦まじげに談笑し合っている。邪魔しては悪いと思ったのかザフィーラはその場を離れ、ヴィヴィオとリカはしばらく楽しそうに会話をしている様子を見守ることに。 「…あ」 やがて周りに人がいないのを確認してか、レオンがそっとなのはに唇を近づけ、そっと重ねた。見る見るうちに顔を赤らめるのは、なのはだけでなく見ているヴィヴィオそうだった。 「な、なんだかごめんね」 仲良しなのはいいのだが、少しは人目があることを気にしてほしい。そういった意味で謝ったヴィヴィオだったが、リカは不思議そうな顔をしている。 「ちゅーしちゃ、ダメなの?」 「ダメってわけじゃないけど……」 「あれは、仲良しだからすることだって、お母さんが言っていたよ」 「そ、そうなんだ」 確かに間違っていないのだが、娘としてはどうにも恥ずかしさが拭えない。 「あ、アルクお兄ちゃんだ」 リカはヴィヴィオに「ありがとう」と一言断ってから彼の後を追いかけた。 「アルクお兄ちゃん!」 「お、リカ。ちょうど探していた所なんだぞ」 「ふみゅ? どうして?」 「ブルズが、お前がどこか行って心配していたんだ」 「あ……ご、ごめんなさい」 「こうして無事なら、それでいい。それに、謝るならブルズに謝らないと」 「はい」 しょんぼりとした顔になったが、アルクにカメラを持っていることを指摘されて明るい笑顔に変わる。 「どんな写真を撮ったんだ?」 「こんなのだよ」 「どれどれ……って、なんだこりゃ?」 そこに収められている写真を見て、アルクは目を疑う。どうしてリカがキスしているところばかり撮影しているのか分からなかった。 「これ、どうして撮ろうと思ったんだ?」 「はやてお姉ちゃんに、撮ってって言われたから♪」 まったく隠すこともなく言い切ったリカ。アルクはそんな彼女の純粋さに感謝しつつ、自分の恋人がとんでもないことを頼んでいたのだと知って、急いで被害者となった6人を呼びに向かった。 ◆◇◆◇◆ 「まったく……賞品が欲しいからって、こんなやり方してどうする」 「せ、せやかて……アルクがこれ欲しいって言うてたから……」 「…まぁ、確かに言ったけどな」 部隊長室に集まった面々に凄まれて、はやては真相を語った。来月にあるキスの日とやらを題材にした写真を募集しているらしく、その選考結果で様々な賞品が当たるらしく、どうやら本当はアルクが欲しいと思っていた賞品を狙うためにリカを焚き付けたと言うことだ。 一方、ブルズは撮られた写真を見回しながら、あることに気付く。 「それにしても……なんか、兄さんのが見当たらないな」 「何だ。俺のは撮られずに済んだのか」 レオンがほっとしたのも束の間、アルクがブルズからカメラを預かってよく見てみると、苦笑いした。 「レオン、確かに写真はなかったが……代わりに、こんなのがあったぞ」 「ん?」 見せられたのは、なんと動画だった。なのははすぐに顔が真っ赤になり、レオンも口をパクパクさせるのが精一杯のようだ。 「な、何で動画なんだよ!?」 「さぁな。多分、弄っている間に動画モードにでもなったんだろう」 ちらりと視線を向けた先には、小さな寝息を立てているリカが。どうやらずっと写真を撮っていて疲れてしまったようだ。 「まぁ、はやてに悪気はなかったんだし、今回は俺に免じて赦してくれよ。 それに……まだ本命が残っているだろ?」 にやりと笑うアルクに、全員が同じ人物を思い浮かべる。幾人かはアルクの言う通りだと、もう幾人かは大変だなぁと思うのであった。 ◆◇◆◇◆ 「ただいま」 「リカちゃん、いい子にしていましたか?」 「お父さん、お母さん!」 数時間後の夕刻になって、リカの両親が戻ってきた。父親のヴィレイサーに抱き上げてもらい、ご満悦のリカ。そんな娘の姿を見て、母のメイヤも嬉しそうに目を細める。 メイヤは艶やかな長い黒髪を赤いリボンで纏めた、落ち着きのある女性だ。正しく大和撫子と呼ぶに相応しい。そんな彼女と恋仲であるヴィレイサーとの仲は、もちろん好調以外にない。互いに相手のことが好きすぎているのではないかと思うほどだ。 「アルクから聞いたんだが、いっぱい写真を撮ったんだって?」 「うん♪ あのね、お父さんとお母さんの写真も撮りたいの!」 「私たちの、ですか?」 顔を見合わせ、すぐに笑みを見せる。 「もちろんいいですよ。どんな写真が撮りたいんですか?」 「えっとね、2人がちゅーってしてるところ」 「え……えぇ!?」 「いや、流石にそれは……」 「う? ダメなの?」 メイヤの方を見ると、かなり顔を赤くしてしまっている。彼女は恥ずかしがり屋なところがあるので、仕方がないと言えよう。しかし、リカは2人が口付けするのを今か今かと目を輝かせて待っている。 (仕方ない) ヴィレイサーはそっとメイヤの肩に手を置いて、今から口付けすることを暗に伝える。恥ずかしそうにしながらも、やがて面を上げて目を閉じた。 「…んっ」 そうしてゆっくりと口付けを交わし、静かに話した。 「こ、これでいいのか?」 「うん♪ えへへ、お母さん顔真っ赤だ」 「あ、あまり見ないでください」 カメラを渡され、その液晶画面に映し出されている写真を見ると、確かにメイヤの顔が真っ赤になっている。 「…けど、リカがいないのは寂しいな」 「ふみゅ?」 「リカ、ちょっとおいで」 ヴィレイサーに手を取ってもらって連れられたのは、部屋に備え付けられたソファー。そこに座り、更にヴィレイサーの上にリカが座ると、メイヤがカメラを構えた。 「さ、リカちゃんも一緒に写りましょう」 「は〜い♪」 子供抜きの写真は、やはり寂しいものがある。ヴィレイサーとリカが撮り終えると、今度はメイヤとリカの2人の写真を撮っていく。 「…ねぇねぇ。お母さんがお父さんとちゅーするのは、好きだからなんだよね?」 「そうですよ。私が、ずっとヴィレイサーさんのことを好きでいると誓ったからですね」 「じゃあ、私もお母さんとお父さんにちゅーってしていいの?」 「…え?」 「だって私も、お母さんとお父さんのこと好きだよ。だから、2人にちゅーしたい♪」 「…そうですね。ヴィレイサーさん、真ん中に座っていただけますか?」 「あぁ、分かった」 メイヤに呼ばれてソファーに座すと、その両隣にリカとメイヤがそれぞれ並んだ。 「どうやって撮るの?」 「まぁ見てな」 リカからカメラを預かり、それを愛機のデバイスにつなげる。デバイスを介して写真撮影をしようと言うわけだ。 「エターナル、位置はここら辺でいいか?」 《はい。良好です》 改めて3人で並び、デバイスによってシャッターが切られる。それを何度か繰り返した後、リカとメイヤが同時にヴィレイサーの頬へ口付けした。 ◆◇◆◇◆ 「それで? 結局、選考はどうだったんだ?」 「残念ながら、特賞は無理だったそうです」 「何だ。残念だったな」 撮ってくれた写真を片っ端から選考に送ったのだが、結果はどれも惨敗に終わった。だが、たった唯一賞を獲得した写真がある。 「ふふっ。ですが、いいものをもらえましたね」 「…そうだな」 ヴィレイサーとメイヤが話している間も、リカは丁寧に写真をアルバムにしまっている。佳作として、自分たち3人の写真が選ばれ、その賞としてこのアルバムをもらえたのだ。もちろん最初のページには、家族で仲睦まじく写っている写真がおさめられていた。 メイヤもリカと共に写真を選びつつ、微笑みあっていた。その笑顔を見て、ヴィレイサーは2人と一緒になれて本当に良かったと思う。そしてこの一瞬を残そうとカメラを構え、シャッターを切ったのだった。 ◆──────────◆ :あとがき 前回のギンガ編と同様に、キスの日がネタとなっております。 リカちゃんにみんな振り回されていましたが、その分ヴィレイサーとメイヤさんの絡みが減ってしまったかなぁと少し後悔しています。 まぁ、いつもあの2人しかメインにしないのもどうかと思いますし、いいですよね(笑 次回こそは本編をお届けしたいと思います。 もしかしたら早いのはガンダムWかもしれませんが。 [*前へ][次へ#] |