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ファブガイ・黒ガイ





“聴こえる”

トクン、トクン、トクン…規則正しいその鼓動が。
この世に存在している証でもある、胸の鼓動が。

「ガイ」

引き締まった胸板に手を当て、耳を当ててはゆっくりと瞼を閉じる。
身体を預け、リラックスをするように心を澄ました。

「どうかしたのか」
「…聴こえる」

肌に触れては、その後を舌でなぞることを繰り返す。
仰向けに寝ている公爵の胴体に脚を左右に開き、股がった。
まるで、騎乗位の如く。

「脈打つ心臓が、此処にある」

トン、と指を差した。
人間生きる為の源である全ての流れ、原点の心臓を。

「私の此処を…お前はどうしたいと願うのだ?」

皮肉な程までの笑みを送られる。
答えを知っている癖に。
焦らすように、腹立たせるようにわざとらしく問い掛けてきた。

「旦那、さ…ま…」
「どうした、言えぬと言うのか」

太い手が背中を這う。
ぞくぞくっと脊髄に響くような憎たらしい快感が身体を伝った。
小さい喘ぎ声を噛み締めては眉間を寄せる。

「ん、んぅ…」
「答えなさい。ガイ」

はむっと胸の突起を舌で転がされ、下半身が疼く。
下を弄ばれているわけでもないのに、情けなくも身体は悦んでいるようだった。

「早くしなさい」

勃起してしまっても尚、お構い無しに突起を舐めてくる。
中心をつつかれることが弱いのを知っているのだ、奴は。
調教されたこの身体。
男に抱かれるようにと…染み込まされたこの身体。
これで満足なのだろうか、あの男は。
俺をここまで追い込み滑落させ、深い底の無い闇に身体を染めさせた。

「俺はっ…貴方の心臓が欲しい…です、」

その一定の胸の鼓動を望む。
こんなにも近くに有る物が、手に入らないなんて。

「そうか…それは、滑稽だな」
「…ヒィ、ァアア!!」

噛み千切るような勢いで、舌で転がされていた突起が刺激を食らう。
激痛が走ったかと思えば、身体は見事に仰け反る。
キッ、と恨むように公爵を睨み付けると鼻で笑われた。

「私の心臓が欲しい、か…」

噛まれたところはジンジンと赤みを帯びる。
反抗した態度を面白がり、全てが無意味なんだ、この男の前では。

「ならば常に私の側に居なさい。何時でも、お前が此処を狙えるようにな」

此処――つまり、心臓を。
これはゲームだ。
復讐の駆け引きと言う名の、真新しいシーソーゲーム。

「理解出来たのなら、続きを始めなさい」

試されているのか。
弄ばれているのか。
はたまた只の気紛れか。
どちらにせよ、俺が裏切られないのを知っている。
――俺は、公爵家の使用人。

「…はい。旦那様」

下唇をきつく噛み締め、反り勃った肉棒を自らの身体の中へと受け入れた。





end.
2010/03/20

(あとがき)
よよよく分からない、ファブガイ…!
全て勢いです。
勢いと言う名の過ち(笑
久しぶりすぎてどう書けば良いのか、さっぱり。
本当はこのネタはJGかVGにしようとしましたが、ファブガイでもイケるかな…と、調子に乗りました。
鬼畜な公爵が大好きです。
今回はあまり鬼畜度は高めではありませんが。
次回にリベンジです!

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あきゅろす。
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