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甘・シリアス



「な、俺…こんなに幸せでいいのかな…」
「何を…」

情事後の二人はベッドに横たわる。
ぽそりとガイが呟いた。

「恐いよ、ジェイド。自分が恐い…今の、自分が」

見られたくないのか、手のひらで顔を覆い隠している。
すぐ隣に居るはずなのに何故だかガイとの距離を感じてしまう。
ほんの少しだけ…不安になる。

「ガイ…?」

そっと、触れようとした。
時々弱音を吐き出すガイの精神は不安定に陥る。
それは何かを心に溜め込めすぎている証拠であって、本人は全く気付いていない。
――いや、気付けないのだ。
周りに気を配りすぎているガイは自分のことは制御しきれていない。
人間は、そんな簡単な生き物ではない。

「恐いっ…恐い、恐い恐い!」
「――ガイ、」
「恐いんだ、ジェイド…」

自ら甘えるようにガイは抱き着いてきた。
痛い程に目をぎゅう、と瞑むり身体はわずかに震えている。

「良いんですよ。泣きたかったら、思いっきり泣いてくれて」
「…、ふぅ…うっ…ぅ」

ガイのすすり泣く声が聞こる。
一体、自分の何が恐くて、私に何を求めているのか。
ただ、抱き締めてあげることしか出来ない。
ガイがそれで安心出来ると言うならば私はいつでも胸を貸してあげよう。

「ふぁあ…、あ――ぁああ…!」

まるで子をあやす親の気持ち、か。
ガイに触れ、おでこにそっと口付ける。
耳たぶを甘噛みし、肩から首にかけて舌を這わす。

「は…っひ、…ぅ」

次々に点を残していっては最後にガイの唇を塞ぐ。
手を腰に回しながらググッと身体に密着させた。

「ガイ。自分を否定しないで下さい」
「ふぅ…っ…」
「そしたら、私も貴方を否定しなくてはならないじゃないですか…」
「…ぁ、っ…!」

ガイの身体が落ち着きを取り戻す。
目を瞑りながら私に身を委ねてくれた。

「さぁ。今日はもう休みなさい」

ずれていた布団をガイに多めにかけてやる。
肩を寄せ、腕で彼の身体を包み込む。

「私も、貴方が隣に居なければ恐いんですよっ…」

意識を手離し眠りについたであろう彼を抱き寄せた。



明日には、いつも通りの貴方を私に見せて下さいね?





END.
2010/03/04

(あとがき)
突発すぎる文章を書くと、よく最後がまとめられなくなります。
けれども今回は久しぶりにきちんと最後がまとめられたような気がします。
まとめられた…ような…いや、内容事態あやふやなので微妙ですかね^^;
とりあえず最初のガイ様が何を言い出すんだ、って感じで申し訳ないです。
思わずノロケかと思った方がいましたら、すみません…。
実は甘ーい話を書くのは少し苦手です…書いてて恥ずかしいっ><
しかし、イチャイチャさせたいと言う、矛盾。

最後まで読んで下さった方々がいましたら、ありがとうございました!

村瀬りんく



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