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もしも過去に戻れるなら

シリアス





何度…夢見て思い描いたことだろうか
現実的には有り得ない、逃避したくてもしきれない
決して覆すことが出来ない
今思うと忌々しい…自分が犯してしまった過去

自分は加害者、相手は被害者







「…もし、過去に遡ることが出来たなら私は生まれたばかりの自分を殺しますよ」
「どう、して」

どうして?
聞くまででもない
私は禁忌に至るものを、作り上げてしまった

「私の好奇心が生み出した研究物で多くの方を苦しめてしまったのは事実です」
「……」

貴方も、その中の一人なのですよ

「我ながらフォミクリーとは罪深い技術だと思います」
「確かに、な。そうかもしれない」
「…ええ」

だから禁忌にしたのだ
自分の過去を無かったことに
例えてみれば、お寝しょをしてそれを隠そうとする子供のように

「否定はしません。恨んでくれても結構です」

貴方には私を裁く権利があります
ホド島消滅に荷担したフォミクリーの発案者、なのだから

「俺はそんなこと気にしない」

――?
今、なんて?
自分の耳を疑った

「…ガイ、」
「恨んでたとしたら俺は、とっくにアンタに剣を向けているだろうさ」

当たり前だ、彼の家族を殺したも同然の行為だった

「ジェイドにこれからの人生全てを使って過去の罪を償え、なんてこと言わない」
「はい」
「ただ…俺のそばに、居て欲しい」
「…はい」

もう少し、貴方がもう少し早く生まれてきたとして
私と出逢えることが出来たなら
正しい道を、共に歩めていたかもしれない
フォミクリーを軍事的なものに使用せず、もっと根本的なものに――

もしも、過去に戻れるなら

「貴方と、共に」





END.
2010/01/11

◆あとがき◆
お題一発目SS。
状況がよく分からないことに…。
まぁ、それもいつものことなのですが^^;
JGと言うよりGJGになった気も、しなくはないです。
こんな感じでSSにしてお題を少しずつ更新していきたいと思います。



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あきゅろす。
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