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現れては一瞬で儚く消えて、目映い光が群れを成す
東の空に、1つ2つ…全部で3つ



「ガイラルディア様、」

ふぅ、と口を手で覆い自らの暖かい吐息で暖をとる。
肌を刺激するような、夜の冷たい空気はだんだんと身体の熱を奪っていく。

「ここに長らく居られては風邪を引いてしまいますよ」
「…見たいものが、あるんだ」

す…と横に腰掛け、手を擦り合わせながら空を見上げた。
その先には3つの星が几帳面に並んでいる。

「オリオン座流星群って言うらしいんだ」
「流星群、ですか?」
「そ、今が丁度よく見れる時期らしくってな。ペールが言っていたし…」

けれども黒を纏った夜空は変わることは無く。
散りばめられた星達はきらきらと輝き続ける。
一体どれだけ待っていたのだろうか、触れた金色の髪は冷めきっていて。

「何だよ、ヴァン」

髪に触れ、くしゃりと撫でた。
それを不満に思ったのか、不貞腐れながらこちらを向いた。

「いえ、何も。そうだ、何か飲み物を持ってきましょうか」
「…ホットミルクが良い」
「かしこまりました」

主人の注文を承り、立ち上がろうとしたその時、服を下から掴まれていた。
それはガイラルディアの、冷めきってしまった手。

「ヴァンは…ヴァンなら、星に何の願い事をする?」
「…そうですね、ガイラルディア様の幸せ…でしょうか」

見上げていた顔はぽっと赤みをおびた。
コロコロ変わる表情がなんとも可愛いらしいと思ってしまう。

「ばかっ…少しは自分のことを考えろよ」
「生憎、主人に忠実な忠誠心しか持ち得ておりませんので」

キラリと東の空に3つ
いくつかの流星群が落ちてくる

「ヴァン、早くホットミルク」
「その前に、その手を離して下さらなければ動けませんよ」



星に願いを、主人に永久の幸福を
例え己の願いが叶わずとも、主人の願いを永遠に





END.
UNDER.あとがき
09/10/22

◆あとがき◆
現パロ、みたいな感じになってしまいました…。
なんか皆オリオン座流星群が〜とか言っていたので唐突に作りました。
何故VGにしたのかってそりゃあ、あんまり書いてないからとかそんな理由なんかじゃありません決して(ry
ちなみに村瀬は流星群を見ることはありません。
外寒いですもんね…!
待ってられません。
そして相変わらずヴァンデスデルカの口調が難しい!

ホットミルクはなんとなくです。
ホットココアでも良かったのです、が。
なんか…可愛かったから^^←

最後まで読んで下さった方々、いましたらありがとうございました!

村瀬りんく


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あきゅろす。
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