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好きときめきとキス
#029
「邪魔するぞ」
ドカッと音をたてて扉が開く。
「あら、予定より随分遅い到着なのに詫びの言葉もないの?」
優雅に紅茶を入れている彼女はゆっくりと長い睫を開いた。
「るせぇ」
片手に抱えるようにして真琴をつれてきた流雅は近くにあったソファーに彼を横たえる。
「はい、ひざ掛けしか今手元にないけどかけてあげて」
ティーポットとカップをを流雅の近くにある机に置くと、
彼女が傍に畳んでいたひざ掛けを渡す。
「ああ、サンキュ」
ベットの様に広いソファーに横たえた真琴にひざ掛けをかけると、流雅はやっと彼女と向き合う体制になる。

「で、俺たちを呼んだ理由はなんだ?」
真琴を見る目は穏やかだったというのに彼女に向ける眼差しは鋭い。
「久々のお仕事よ。」
口元に浅い笑みを浮かべた彼女はうっとりとした表情をあらわした。




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あきゅろす。
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