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未熟な恋心
#028
「っ・・・」
こわばった筋肉が体を動かす度に悲鳴をあげる。
重い体を動かして携帯を取り出すと時刻は14時を少し過ぎていて、日付は二日。
一瞬考え込んだシンは覚醒してきた頭で自分がどれだけ寝ていたのかを知ると、慌てて電話帳を開く。
「小夜さん、すみません!」
勢いよく謝ったシンをまっていたのは小夜の明るい笑い声だった
「仕事は大丈夫よそれよりも音沙汰がなくて今日行こうと思ってたの」
「丸二日眠っていたんです。すみません」
申し訳ない気持ちが募ってどうしようもなく情けない声になった
「馳河さんから伺っていたから大丈夫よ」
「、な・・・なんで」
名前を聞いただけで動揺が隠せない
「シン君が来ないのは私に会いたくないからだと思うって言ってたわよ」
そう言われて不覚にも涙が零れそうになったシンは言葉を濁す
「そういうわけじゃ・・・」
こんなとき、言葉は無力でそれなのに伝わらなくていいことは伝わってしまう
「馳河さんが大好きなのね」
からかい混じりの小夜さんは鈴がなるように笑うと明日は遅刻しないようにと言って一方的に電話を切られた
一方シンは急に自覚せざるを得ない事を言われて携帯を持ったまま固まっていた



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あきゅろす。
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