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未熟な恋心
#024 SHIN
「んっ・・・馳河・・・」
無意識に手を伸ばしてみれば左手はいとも簡単に崩れ落ちた。
誰もいない。
黒い家具ばかりの部屋には主は居らず、雷の音と雨の音がしきりに鳴り響く。
「のど、渇いたな。」
ベットからでて、リビングの黒机の傍に行けば一枚の置手紙があったので拾い上げてよむ。

急に仕事が入って引き返す事になった。直ぐに戻る。
   冷蔵庫にプリンとゼリーがある筈だから食べてくれればいい。
――馳河

馳河らしい何の飾り気のない文章。
「さっさと帰って来いっての。」
すぐに戻るといっておきながら時計はそろそろ2時をさそうとしている。
自分は夜型なので普段なら23時頃からバイトにせいを出している頃。
無断で休んだことを恨む。
といっても今日は色々ありすぎて疲れているのも確かなので馳河がいない部屋をでてベランダでしゃがみこんだ。



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あきゅろす。
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