#005 KIRA 掃除を終わらせたら、鍵を閉めて裏道を通って帰る。 ちょっと前まではヤンチャしてたから、結構俺の顔が知られているからか、俺に喧嘩売る奴はいない。 左手に持っている今日の余りモノを野良猫にやって、頭を撫でる。 じゃぁなと一声掛けると、小さく鳴く声に快くした俺はゆっくりと歩き出す。 マフラーから漏れる吐いた息が白く光る。 「さみぃ・・・」 両手を上着のポケットに突っ込み、ダンボールの重ねられている一箇所に目を止める。 「何だ・・・アレ?」 輝羅は黒く佇んでいる物体に目を向ける。 昨日まではなかったはずだ・・・ ←→ [戻る] |