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#001 KIRA
何処を見ても通り過ぎるカップル共に嫌気が差す。
冬に近くなると増えだすのはクリスマスを一緒にすごす為なんだろうと両手をポケットに突っ込んだまま適当に考える。
ケツポケに入れているのは財布と携帯。
偶に電話が掛かるけど、出る気分じゃないからでない。
「だる」
現在バイトに向かう俺は酷く機嫌が悪い。
ただ、クリスマスという聖なる夜だと言うのに無表情で街中を通る。
腕を組みながら歩くカップルを見てはウザそうに舌打ちをひとつ

ジーパンは腰までずらして大きめの黒のパーカーを着込んだ中はもちろん2枚着ていて結構暖かい
はぁーと吐き出す息は相変わらず白いけど、イルミネーションで飾られている街を足早にぬけた。
「だる。」
タバコを咥え、キラキラと輝くイルミネーションの中で彼は唐突に呟いた。
紫煙が揺らめきながら消えていく
「輝羅!」
呼びかけに片手を挙げた。
それから度々掛けられる声がうざったくて俺は足早に裏道に足を伸ばす。



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