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私もあの子も幻影だ。

ごめんなさい
ごめんなさい…!

あなたを一人で残して行くべきではなかった。
寂しさを理解してあげるべきだった。
まさかあんなものを作り上げて育ててしまうなんて。私だけ逃げてごめんなさい。

彼の足元で号泣する私の側にアーリィが近付くと違うよママと静かに言った。
何の事かと涙の目で見上げる私の前で夫は消えた。
ショックだった。



「パパは5年前にここから出て行ったよ。友達に誘われて新しい仕事を始めるんだって…。パパもママも僕がつくったんだよ。僕だって寂しかったからね」

「でも、でもあなただって?!」

「そうだね、実体はないよ。僕もちゃんと成長したかったけど仕方ないよ。ママは僕を忘れて遠くへ行っちゃうし。でもママだって怖かったんだよね?僕を死なせた事隠してたんだもんね?ママを恨んでないよ。あれはママのせいだけどでもママのせいじゃないよ。気づかなかったんだよね?」
自分で自分を抱きしめる指先が震える。


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