第六章
二人で
―レックス、出番よ―
―どこに行く気だ?―
―禁じられた森…―
思念通話はレックスにのみ送られたものだった。レックスにダンブルドアから見せてもらったことを細かく説明すると、彼はすぐに向かうと言った。
カノンは腰にあるヴァルガレイスを鞘から抜くと握り締めた。
「久しぶりの戦闘だけど、大丈夫だよね」
『no problem』
「じゃあ、行こうか」
真っ直ぐ禁じられた森の方面にカノンは飛んで行った。
禁じられた森がある上空にはすでにレックスがカノンを待っていた。
「早かったのね。…そういえば、レックスっていつもどこにいるの?ノエルは梟小屋なのはわかるんだけど」
「あぁ、ハグリットの所で世話になってる」
ハグリットと聞いてカノンは今年の初めにホグワーツまで案内してくれた大男を思い出した。
「あの人の所にいたんだ…」
「いい奴だぞ、ハグリットは。俺が見たこともない狼だと言ってけっこう大事にしてくれるしな」
話の流れからして、彼の前で人の姿にはなっていないことがわかった。レックスが他人を誉めるのは珍しいのでカノンは驚いたが、今度ハグリットと話してみようとも思った。
「じゃあ、レックスは結界張って。私が全部潰すから」
「それはいいんだが、ノエルは呼ばなくていいのか?」
「…あの子は戦闘用に作ってないの。せいぜい足止め用の魔法が一つか二つ使える程度なの。それにあの子には怪我なんてしてほしくないからね」
苦笑して言うカノンにレックスは溜息を吐いてから過保護だな、と漏らした。それにカノンもそうだね、と笑って答えた。
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