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第六章
出陣



水晶に移された物は何かを探し回っているかのようだった。それにカノンは何を探しているのか気が付いた。


(もしかして、あの時の古代遺物を探してるの?)


それはたぶん今もヴァルガレイスの中で封印されている赤い水晶体。結局、時空管理局本局に渡す前にこちらの世界に来てしまったためにそれを追ってきたのだろう。しかし、これはカノン達にとってみれば好都合だった。それらがこちらの世界に来たということは、逆に向こうの世界に繋がっているかもしれない場所があるんだということだった。


「こちらの世界の魔法が効かないということは私達の世界の魔法しか有効でない」

「そう考えるのが妥当じゃの」

「だから私を呼んだんですね」


カノンの瞳にはすでに行く気満々の光があった。それにダンブルドアは反らすことなく頷いた。


「わかりました。じゃあ、今から行ってきますね」

「今からだと他の者達を避難させるのが大変じゃ」

「大丈夫です」


カノンはヴァルガレイスに呼び掛けると、体が光に包まれた。光が消えるとカノンは本来の姿でバリアジャケットに身を包んでいた。


「私達の世界では結界という物がありますから。対象になっているもの以外を安全な場所へ一時的に避難させることが可能です」


そう言うとカノンは窓を開け放つとそのまま空へと飛翔した。その様子をダンブルドアは呆然と見ているしかできなかった。箒無しで空を翔けていくカノンはまるでこの世界でいう天使のようだった。







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