第六章
気になること
「レックスがいないならノエルは何で時間を潰せっていうの?」
ぷぅっと頬をふくらます仕草は可愛いのだが、言っていることは見た目に反していると感じたのはカノンだけではなかった。
それを思い出したカノンは一人で苦笑した。その様子に気づいた他の3人が不思議そうな顔をこちらに向けて来た。
「なんかいいことあったのか?」
「馬鹿ラト!どう見ても苦笑してるでしょ?」
「二人を見てると日本でいう夫婦漫才を見ているみたいだよ」
さらりとアデルとラトが赤面するようなことを言うフェイにカノンはあはは、と乾いた笑いをした。そんなカノンの胸元ではようやく主の元に返って来たヴァルガレイスが揺れていた。これにはさすが変化に敏感なアデルが真っ先に食い付いた。
「そういえば、さっきから気になってたんだけどカノンのそのペンダントって誰かからのクリスマスプレゼント?」
「プレゼントっていえばプレゼントだね」
笑うカノンにその場にいる全員が何を送ったと確認するように顔を見合わせるが、全員カノンに送ったものが違っていた。
「俺らじゃないってことはイーグさん?」
「ううん。違う人だよ」
「じゃあ、誰?」
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