第六章
休み明け
変化はいつから始まっていたのだろうか。それは今となっては知る術はない。ただ、私は後手に回ってしまっていたということしか理解できなかった。
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クリスマス休暇があったのは瞬きする間ぐらいしかなかったのではないかというほどカノンには短く感じた。まぁ、それもそのはずでこの世界に慣れるためということと先日あったブラック家の夜会でかなりの体力を消費してしまったことに他ならないのである。
カノンはまだ見慣れないホグワーツ特急から見える景色をただ呆然と見ていた。すぐ傍にはアデルやラトはもちろんフェイも座っている。すでにこのメンツで行動を共にするのが当たり前のようになってしまったのでカノンは今更ながらどうやって距離を置こうか迷っていた。
ノエルはさすがにフェイのことを考慮して荷台の方に追いやられているので安心なのだが、問題はレックスだった。初めての時、ホグワーツに着いたレックスが蒼い顔をしていたのが思い出される。あの時はノエルにまた何かやられたそうで、詳しくは聞けなかったがレックスにとってみればトラウマになるようなことみたいだった。それ以降、レックスはノエルと一緒には乗らないとの一点張りで空の上からついて行くと言った。カノンにしてみれば本人がそれでいいというのなら別に構わなかったが、ノエルがどこか不服そうだった。
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