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第五章
星の瞬き、小さな王


「貴女も逃げて来たんですか?」

「えっ?」


すぐ傍で声がしたのでそちらを見ると、一人の少年がいた。夜目でもわかるくらいに整った顔立ちをしている。これにカノンは驚いた。


「すみません。先客がいるとは思ってみませんでした」


失礼しますと言ってカノンはまた中に入ろうとしたが、少年は別に構いませんよと返してくれた。その言葉に甘えてカノンはその場に留まった。


「えっと、失礼ですがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


例え同い年ぐらいに見えたとしても失礼がないように言葉を選んで言ったカノンだったが少年の顔は驚きに満ちていた。


「あの、私何か失礼なことを申しましたか?」

「いえ。僕のことを知らない人がいるとは思わなかったものですから」

「すみません。私、今日初めてこのような所に来たものですからわからないことだらけなんです」


少しはにかみながら笑うカノンに少年は口元に手を当て微笑んだ。


「それなら頷けますね。僕の名前はレギュラス。レギュラス・ブラックと言います」








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あきゅろす。
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