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第五章
意外な所からのご招待

レックスの後ろにいたカノンとノエルは、薄情にもレックスから離れ二人で互いを抱きしめあっていた。


「だ、だからどうしたんだ?」


レックスの言葉にイーグは今まで持っていた手紙を押し付けるように渡した。それに目を通すとレックスの目がどんどん半眼になっていく。そして、イーグと同じようにその手紙を握り潰した。


「確かにこれはふざけるな、だな」

「だろう?しかも、こっちは断れない相手だ」


二人の視線が青褪めているカノンに向かった。カノンは肩を震わすのだが、二人の目が哀れみを浮かべているのに気付くと首を傾げた。


「何かした…の?」


レックスによってさらに握り潰された手紙を丁寧に広げて中の文章に目を走らせるとカノンの顔色は先程よりも青くなった。




手紙の内容はオールディントン家に養女として迎え入れられた少女を明日の夜会で紹介してほしいとのことだった。しかも、開催主はイーグに聞かされた純血主義で有名なブラック家だった。


「なんで私が?」

「あ〜…。それは私の家系も純血主義の中流貴族でね。それで貴族様方は噂話が大変好きでね。たぶん私にも原因があるとは思うんだけど。そんな私が養女を迎えたとどこかで広まってしまったんだろう」


そう苦笑して言うイーグはどうしようか悩んでいた。断ればきっと今の生活を送るのは厳しくなる。それ程にブラック家の力は魔法界においても強いのだろう。









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