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第五章
触らぬ神に恐怖なし



―――――――――――


事の発端はプレゼントを買いに行った日の夜だった。帰ってみるとイーグがリビングで1通の手紙を握り締めてリビングで沈んでいた。それはもう真っ白に燃え尽きたボクサーのごとくだった。

カノン達はそんなイーグに嫌な予感を感じたので話しかけずにこっそり自室に引き上げようとしたが、イーグが突然不気味に笑いだすものだから3人は驚いた眼でイーグを見た。


「フフフ…。ふざけるなよ、ですね」


余計に力を込め過ぎたせいで手紙は先程よりも無残な姿になる。
カノンはレックスの後ろに、ノエルはカノンの後ろに隠れた。これにレックスは『お前ら!』と抗議の声をしたが今のイーグには絶対関わってはいけないという警鐘が3人の頭の中に響き渡る。
しかし、これでは話が進まないのでレックスが仕方なくイーグに尋ねた。


「その手紙がどうしたんだ?」

「フフフ…。レックスく〜ん」


ふらふらと体を揺らしたかと思うと急にレックスの目の前まで移動したものだからこれには3人は恐怖しか感じなかった。3人は震えあがっているのも知らずにイーグは死んだ目でレックスの肩を両手で掴んだ。


「ひっ…」


これにはレックスも情けない悲鳴を上げるしかなかった。








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