第五章
お出かけ
イーグ、レックス、ノエルの三人は出てきたカノンのその姿を見ると呆然と固まってしまった。
「あの、変ですか？」
「というより、似合いすぎ」
「は、はぁ…」
恥ずかしくて顔を赤くして視線を彷徨わせるが、イーグが時間を思い出したかのように玄関に待たせている馬車にカノンを乗せる。
「じゃあ、二人とも留守をお願いするね」
「むぅ。二人だけってずるい」
「まぁ、そう言うな。イーグも断れない用事なんだからな」
レックスに止められるノエルは不服そうにイーグを見ていた。カノンは入口近くの窓に座るとレックス達に手を振った。
―早めに帰れるように努力はしてみるよー
―気をつけてなー
―返って来るのを待ってるからね！―
―行ってきます―
イーグが乗り込むのを確認すると馬車は走り出した。まるで飛行機が離陸するかのように徐々に地上から離れ、空へと駆け上がって行く。それをレックスとノエルは見守っていた。
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