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第四章
二人で



中に入るとカノンは外から見える品を凝視していた。そして、値札を見ると溜息を吐きだしていた。


「何を見てんだ?」


カノンの隣から覗くとそこにあったのは女が付けるよりも、どちらかというと男物のペンダントだった。しかも、値段が少し学生にはきつい物だった。


「お前、これが欲しいのかよ」


今までそのペンダントに意識を集中していたせいかカノンはひどく驚いた顔をしてシリウスを見た。
「…えぇ、まぁそうですね。ホグワーツに来る前に失くしたとても大切な物にそっくりなんです」


すぐにそれに視線を戻すカノンの横顔はどこか寂しそうな感じがした。カノンは自らの財布の中身を見て値段と照らし合わせる。

そんな二人を見て店の店主が近寄ってきた。


「何か欲しい物がありましたか?」

「あの、これってここで作られたものなんですか?」


店主はカノンが指差す物を見ると首を横に振った。


「これは私が次のアクセサリーのデザインを考えてる時にちょうど森の中で見つけたんですよ。で、それを少し治した物ですね」

「そうなんですか」


店の店主が正直にそう言ってくれたおかげでカノンの中で確信が生まれた。しかも目の前のペンダントからは長い間ずっと一緒にいた魔力のはどうも感じられる。


「これって値下げできますか?」


カノンの言葉に店主は少しだけならと言って値下げした値段を提示したが、それでもカノンの現在持つ所持金よりいくらか高い。









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