第四章
お邪魔虫
やはりクリスマスのためか店に並ぶ品々はほとんどがプレゼント用の物が多かった。カノンとラトはそこそこに選んで買ったが、アデルはやはりまだ悩んでいるようだった。
「カノン、お前はどっか周って来てもいいぞ。この分だとさらに長くなるからな」
「えっ?でも…」
「いいって。お前まだ見れてない店とかあるんだろ?」
「そうだけど」
ラトに背中を押されてカノンは店の外に出された。行って来いと笑顔でいうラトに後ろ髪を引かれたが、彼の好意を受け取りカノンはレックス達と一緒に回り始めた。
(なんか、体良くデートの邪魔みたいな感じになってたからいいのかな)
無意識とはいえ、ラトはアデルの傍にいてプレゼントを選ぶのが楽しそうに見えた。それを思い出したカノンは一人で笑っていた。
「あの二人って本当にお似合いだよね?」
後ろを振り返ってレックスとノエルに聞こうとしたが、当の二人がカノンの後ろにいなかった。
「あれ?二人ともどこ行ったんだろう?」
カノンの視界にはごった返している人々の姿しか見えなかった。
「もしかして…私、迷子?」
辺りには見知った顔はいない。ただ呆然と立ち尽くしいるといろんな人にぶつかる。その人々はカノンに訝しげな視線を投げるがすぐに視線が外せない状態になっていた。それに気付いたのか、すぐに近くの路地に入るとそこで思案し始めた。
(来た道を戻ってラト達に合流しようかな?…あぁ、でも二人の邪魔になりそう)
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