第四章
屋敷しもべ妖精
そんな三人を置いてイーグは自らの杖を取り出し一振りした。
するとリビングがあっという間にパーティー用の飾りで埋め尽くされる。そして、極めつけは白いテーブルクロスが掛かった大きなテーブルにはホグワーツの豪華な料理にも負けないくらいの物が並べられている。
ここまでされたらもうただフェイをごまかすだけの口実だとは言えなくなった。
「…いつも思うんだけど、この料理はどうやってできてるの?」
「それはね、屋敷しもべ妖精が作ってくれているんだよ」
笑顔でそういうイーグだが、カノン達はいまいちわからなかった。
「屋敷しもべ妖精?」
「そうだよ。…出てきなさい、ルギル」
イーグがそう言うと何もない所から白い煙が立ち上った。そして、煙が消えると耳と目が異様に大きい姿をした人のようで人でない者がいた。これにはカノン達は驚くしかできなかった。
「お呼びでしょうか、ご主人様」
「あぁ。ルギルにも紹介するね。今年から私の娘になったカノンとノエル、そして息子のレックスだよ」
いつの間にレックス達も子供として換算していたのかわからなかったが、そう言ったイーグにカノンは嬉しく思った。自分の家族を彼がそう言ってくれたことに今までのイーグに対する態度を改めようと考えた。
「そうだ。ルギル、今からブラック家の長男に悪戯してきて」
前言撤回。カノンの中のイーグはやはり変な人物で固定だった。
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