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第四章
気分を盛り上げるには


リビングにはソファーに膝を抱えて汽車の中でのカノンの時のように空気を淀ませているイーグがいた。

近くまでいくと小声で何かをブツブツ呟いているのが聞こえるが、何を言っているかは全部はわからなかった。ただ、節々にはブラックだの男だのが聞こえた。


傍にいるレックスとノエルも困惑してカノンを見た。


「けっこうブラック達のことがショックだったようだぞ」

「ブラック達嫌い」


ノエルはカノンの腰辺りに抱きついた。カノンはノエルの頭を優しく撫でてレックスに目を合わせた。すると、レックスが今度はまじまじとカノンを上から下まで見た。


「な、何?」

「いや、よく似合ってるなって。向こうの世界にいた時でもそんな服着なかっただろ?」

「あ、うん。そうだね。いつも動きやすいのを基準にしてたからかな」

「ということはそれはあいつの趣味か」


レックスの視線の先には未だにソファーで蹲っているイーグに向けられた。


「それにしても、今日本当に家族パーティーなんてものがあるのか?」

「あぁ、あれね。あれは…」

「そうだ。パーティーをしよう!」

「「「えっ?」」」


いきなり会話に乱入してきたイーグに三人は素っ頓狂な声を上げるしかなかった。







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