第四章 再会 汽車が9と4分の3番線に着いた時カノンはどんよりとした空気をその身に纏っていた。それは一緒にいたラトやアデル、フェイが心配するほどでもあった。 最後に汽車を降りるとすぐに上機嫌なイーグが視界に入った。 「おかえり、カノン!」 げんなりしているカノンを気にも止めずイーグは思いっ切り抱き付いた。まるでカノンの元気をイーグが吸収しているのではないかと疑問を持つくらい二人の様子が違うので仕方なくラトとアデルが助け船を出した。 「叔父様、もうそのくらいでいいんじゃないですか?」 「カノンが死にそうになってるぜ」 「あぁ、すまないね」 二人のおかげでイーグはカノンを離した。そして、アデルの方を振り向くとアデルの隣にラトがいたため、途端に眉間に皺が寄った。 「可愛い姪の隣に男がいる!?」 まるでアデルの彼氏がラトかのように言うイーグに二人が赤くなったのはいうまでもない。それにイーグの機嫌が益々悪くなったのも。 そんな様子に苦笑しながらフェイがカノンの隣に行った。 「君の保護者って、何て言うか凄い人だね」 「私もそう思うよ」 フェイにつられてカノンが苦笑した。今度はこちらを振り返ったイーグがカノンとフェイの間に割り込んだ。 「カノン!?あれほど悪い男には引っ掛かるなと注意したのになんでそんな奴といるんだ!?」 イーグはフェイに手でしっしと払う。これにはフェイが困惑した。 「フェイは友達です!」 「せっかく手塩にかけて育てたむす…」 イーグが言葉を滑らせてしまう所をラトとアデルが同時に阻止した。それにカノンも笑って誤魔化した。 (誰が手塩にかけて育てたんですか…) . [次へ#] |