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第二章
水と油


「えっ?あの、アデルはただの友達だけど?」


ラトが力一杯頷いた。しかし、カラムはあまり納得していない様子だった。


「本当に?君達、あんなにお似合いなのに?」


それにはもう一人の少年がそうだねと頷いていた。これにはラトが少し不貞腐れていた。


「あんなのとカノンがお似合いだなんて笑わせんな」

「さっきから君は僕の意見に対してことごとく反対しまくるね」


不愉快だよという言葉で一触即発だった。

ラトがカラムに掴みかかった。これにはカノンともう一人の少年は驚くことしかできなかった。

ラトに襟首の所を掴まれたカラムはすかさずラトの顔面に一発拳を喰らわそうとしたが、ラトの方が運動神経がいいためあっさり躱されてしまった。


「君、名前は?」

「フェイ・イエイツ」

「フェイ。君喧嘩強い?」

「それなりかな」

「じゃあ、カラムの方を止めて。私はラトを抑えるから」

「わかった」


ラトとカラムがちょうど離れてまた互いに殴りかかろうとした時にフェイとカノンが間に入った。

フェイはカラムの後ろに回り込んで首に手刀を下ろした。するとカラムの体が突然糸の切れた人形のように傾いだ。それをフェイが抱え、彼のベッドに下ろした。フェイの軽やかな作業にラトを抑えていたカノンだけでなく、ラトも驚いていた。


「お見事…」


カノンの口からはその言葉が勝手に出ていた。それを聞いたフェイは少し照れていた。


「これくらい皆できるんじゃないか?」


さらりと宣うフェイにカノンとラトは、フェイの前では絶対喧嘩のけの字も行動はできないと思った。







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あきゅろす。
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