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第二章
誤解


さすがに新入生と新学期を祝うために用意された御馳走は凄いとしか言いようがなかった。

カノンもこの世界で初めて大勢で食べる食事に驚くことしかできなかった。ただでさえ、人数が多いにも拘らずカノン達に話しかけてくる生徒が多かった。
それでカノンは辟易しながら、案内された寮の部屋に体を横たえた。4人部屋で、今日はじめて見る少年が二人いるが、ラトも同じ部屋なので少し安心した。


「ねぇ、君達と一緒にいたアデルって子はどういう子なの?」

「えっと…。君の名前は?」

「僕はカラム・エインズワースだよ」

「あ、私は…」

「知ってるよ。カノンって読んでも構わない?」

「うん」


カラムはカノンのことをじっと見ていた。ラトが話しかけようとしたが、カラムはそれを無視していた。もう一人の少年がそんなラトを心配して話しかけていた。


「なんで君はアデルのことを私達に聞くの?」

(というか、私よりもラトの方が詳しいのにな…)


明らかにカラムはラトと性格上合わないのが今のやり取りでわかった。


「…可愛いって思ったからだよ」

「へぇ」


後ろでラトがガサツだけどなと言っていたのを笑いたかったが、カラムがラトを睨んだことによって無理だった。


「でも、好きになる前で良かった…」

「「?」」


彼が何を言っているのか理解できなかった。


「カノンの彼女を取りたくはないから」

「「はっ?」」


これにはカノンとラトの声が同時にハモった。







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