第二章
どこにいても気苦労
そこに着くとラトとアデルが待ってましたと言わんばかりの様子で笑いかけた。カノンもつられて笑うとカノンに話しかけようとした先輩達が顔を赤くして止まった。
カノンはその様子をもう視界に入れないようにして二人を見た。
「結局三人一緒だね」
「私としては不本意極まりないけどね」
「素直じゃないんだから」
「ホントにな」
アデルが澄ましたように言ったがカノンとラトにそう言われると顔を赤くした。
「うるさいわね!大体、私とカノンがレイブンクローになるのはわかってたけど、なんで馬鹿ラトまで一緒なのよ」
「馬鹿言うな。俺が頭いいのはお前が、一番知ってることだろ」
また始まった痴話喧嘩にカノンはノエルとレックスのようだと思った。
「二人とも、そこまでにしたらどう?そろそろ御馳走の時間になるんじゃないかな。ですよね、先輩方?」
カノンが笑顔でそう言うと話しかけられた生徒は赤い顔のまま刻々と頷いていた。
((カノンが黒い))
今日親しくなったばかりの友人の怖い一面に触れた二人だった。
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