第二章
類は友を呼ぶ
ホグワーツに入学してから早速いろいろと騒動がありすぎてカノンは談話室でぐったりしていた。
とりあえず、あの後アデルと話してみてわかったのは、彼女が知っていることはカノンの性別が本当は女ということだけだった。
(イーグさんも人が悪すぎる…)
ラトとフェイがげっそりしているカノンを心配そうに見ていた。
「何かあったか?」
「枕が合わなかったとか?」
「…うーん。まぁ、そんなとこかな。ゴメン、心配掛けて」
あまり元気のない顔でいっても益々心配をかけるだけだというのをカノンは理解していなかった。
そんな三人を置いて昨日ラトと騒動を起こしたカラムはアデルと彼女と一緒にいる少女に声を掛けていた。それを見たラトがあからさまに不機嫌な顔になった。
「カラムはいい加減にすればいいんじゃねぇか?」
フェイとカノンはその言葉に苦笑していた。
(さっきまで私の心配してくれてたんじゃないのかな)
どうやらラトもラトで無意識にアデルを気にしているのがわかった。
「どっちも素直になればいいのに」
小声でそう言ったカノンは肩を竦めた。フェイはフェイで始めての授業に使う教科書を持って、授業に出る準備をしていた。
「二人はまだ行かない?俺はもう行こうと思うけど…」
「あ、俺も行く。今教科書持ってくるから待っててくれ」
「わかった。カノンはどうする?」
「私は手紙を出そうと思ってるから先に行ってていいよ」
じゃ後でと言い、カノンは手紙を取りに部屋へ戻ると教科書を持ったラトとすれ違った。
「ラトももう少し素直になってみればいいんじゃない?」
「はっ?何に?」
カノンの言葉にラトは訳がわからないという顔をした。
「アデルのことだよ」
「何で俺があいつを気にするんだ?」
「…」
素でそう言うラトにカノンは黙ってしまった。
(無意識って…)
「ゴメン。やっぱり何でもない」
「変なカノンだな」
そう言ってラトは足早にフェイの所に行った。カノンはカノンで自分の机の上にある白い封筒を持つとノエルがいる鳥小屋に向かった。
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