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私達は立つ!
要因、要員。

「ほんとに人間だ。」
「迷い込んだのかな。」
「今まで、選ばれし子供しか来てないこのデジタルワールドに?」

「おかしいです。」
「どうしたんですか、泉先輩」

賑やかな声に誘われて意識が急浮上して、私、という個体が目を開く。世界が見えた。たくさんの人、人、人。

「ん、むぅ。」
「あ、起きた?」
「…人間。人間!あたし達以外に人間がいたの!?」

ぴょん、と飛び上がり、立つ。人間の足だ、と理解すると嬉しくなるが、回る世界はどうにもならなく、また地に跪く。慌てふためく声も聞こえたが、私、という個体は喜びに満ちていた。また、人間に会えた。今までが夢物語だと思ったからだ。

「人間って…!」
「駄目よ、起きちゃ。脱水症状みたいなんだから。」

座ってください。なんて声を駆けられて、肩を押されて地面に腰を下ろす。左右の少年が隣で逃がすまいと、腰掛けた。

「これどうぞ。私は自分のお茶があるから」

なんて言われて、筒のようなソレを渡される。

「何、これ。」
「何、ってペットボトルだよ。知らないの?太一たちと同じ人間の世界から来たんでしょ。」

オレンジ色した小さな恐竜が、私に声をかけた。まさか、まさかまさかまさか。

「……デジモン」
「そうだよ、僕たちデジタルモンスター」

夢なら覚めてくれ、と私と言う個体が叫び出しそうだ。まだ、悪夢は続くのかと。

「…………」
「どうしたの?」
「…………まだ、戦わなきゃ。いけないの、……」

ぽたり、と何かが伝わり落ちた。涙と言うのに気づくのに、少し時間がかかった。

「何と…戦わなきゃならないんだ。まだ悪いデジモンはいるのか?カイザーだって、既に…」
「カイザーなんて知らないし、私はただ、自分の家に帰るために、世界統一を目論む奴を倒しに行ったの。」

ぽつり、ぽつりと私が言葉を紡ぐ。相槌を打つように、質問が飛んできて答えながら話をしていく。

「奴は強かった。私達が纏めて戦っても叶わなくて。」

かなわないと知って、どうしようもない私達は、奴の城から逃げ出す術をしっていたが、ただ一枚か二もしかするとそれ以上道具を誤ったのかもしれない。逃げるように飛び込んで、気がついたら、デジモンと融合してこの世界に立っていた。

「世界を統一、聞いた事が有るね。」
「そのデジモンの名前はもしかして。」
「奴の名は」

要因、要員。
(ヴァンデモン)
(嘘、アイツは僕達が。)

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あきゅろす。
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