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私達は立つ!
20170801
私。匹野幸。そしてパートナーデジモンのカイモンは、たかいしたけるくん。に連れられて背の高いマンションの一室にやって来た。
その部屋にはデジモンたちがたくさん居て、興味があるのか画面の向こうから覗き込まれている。画面から飛び出した時にはカイモンと一緒に声をあげちゃった。
そのマンションの主、いずみこうしろうくん。曰く記憶喪失である。と言われた。
端的にここに来る前までは覚えてるのに、そのときに誰に会ったとかそういうの、一切合切抜け落ちているのだ。確か私は違うゲートをくぐったが故に、パートナーデジモンと一体化したはずなのに、私はどうしてか人間に戻っているし、意味が全くわからない。
たかいしたけるくん。が、私が彼の名を間違えずに言ったことなどを告げると、四角い箱を触るいずみこうしろうくんの隣にいるゴーグルをかけた彼が言う、あれか漫画とかでよくみるやつ!と元気よく言うと沈黙が降った。そして眼鏡の男の子があきれたようにパラレルワールドだろう。という。そんな単語もわからない私はカイモンとそれから他のデジモンがいる方向に視線を向ける。

「ね、お茶しよーよミミ疲れちゃった!」

赤い髪の女の子の言う言葉に誰かが、確かに。なんて同意して自己紹介しながらお茶にしましょう。解らないまま置いていられるのも、疲れちゃうものね。と女の子が言う。

自己紹介を兼ねて、名前を言っていくのを頭に叩き込む。やがみたいちくん。いしだやまとくん。たけのうちそらさん。たちかわみみさん。きどじょうくん。たかいしたけるくん。やがみひかりさん。もちづきめいさん。
一人一人指差しながら名前を連ねる。こうして一人一人見ているのに解らない違う影が頭をちらついて離れない。じゃああなたのばんだね。とひかりさんが言うから、私はあの世界に言った始まりから覚えている分だけ言葉を選ぶ。

「私は昔……ううん。私たちは昔に、デジモン達のいる世界に呼ばれてカイモン達にであったの。」

そこで仲間たちが次々亡くなって、お屋敷の奥のパネルを解いてゲートを潜ったら私と仲間のデジモンと合体しちゃったことがあるの。は覚えてるんだけど、正直な話どうして今は人になれてるのか解らなくてね。お恥ずかしい。

恥ずかしさのあまり頭をかけば、カイモンと二人で盛大にお腹が鳴った。皆がこっちを見るので余計に恥ずかしい。恥ずかしさのあまり死ねるんじゃないかとカイモンと顔を見合わせるともちづきめいさん。とメイクーモンがみんなでおやつを食べよう!というので、私は彼らのご相伴にあずかることにした。
悪いねカイモン。君にお砂糖は……まぁデジモンだしいっか。

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あきゅろす。
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