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I felt a little tired.


たまに、ふと考える。
どうして彼なのか。
どうして僕だったのか。

その答えは未だに解らないけれど、神が、彼女がそう望んだから仕方ない、と言い聞かせていた過去の自分。

いま、その頃の自分を見るときっとおかしくて笑ってしまうんだろう。

『お前は何も解っていない』

そう言いながら。


僕がこの奇妙な団に入ってから、二年の月日が経った。
朝比奈みくるは表向きは卒業し、未来へ帰っていった。
帰ったことを知っているのは涼宮ハルヒ除くSOS団員のみ。
別れる最後に彼が何か言いたげに彼女を見つめていたのは、色褪せない過去の出来事。

彼女が最後に残した言葉もまた、まだ僕には解らない。

「怖がらないで」

それが誰に向かって言われた言葉なのか、それすらも定かではないけれど視線の先は僕たち全員だったように思う。

言葉の意味は長門有希は理解していたのだろう。静かに頷いて、僕と彼を見ていた。
彼もまた、僕を見て「そうだな」と言っていた。

僕だけがまだ、理解できていない。

彼もまた、言っていたのだ。
「怖がってばかりじゃ進めないだろ」と。

ああ、本当に意味が解らない。
僕が何かを怖がっている?
そう言いたいのだろうか、彼等は。

まだ理由は解らない。
意味も解らない。
だけど一つ気付いた事。

淡い恋心を抱いている自分がいると言う事。

許されない恋。
踏み出せない恋。
だって、彼は
神の鍵だから――






あきゅろす。
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