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擦れ違いLover6


古泉の腰が前後するたびそれに合わせて俺の口から信じられないような声を発する。
……こんな声、俺は知らない。

そう思うと怖くなって目の前にある学ランに顔を埋めて声を押し殺す。
呻き声に近いがそれでもさっきまでの声に比べるとマシだ。

「んくっ……んん」
「ダメですよ、貴方の声聞かせてください」

いやいやだと首を横に振ると上から溜息が降ってきた。
そのまま律動を再開される。

「怖がらなくても大丈夫ですよ、ここには僕と貴方しかいない」

ふわりと髪を撫でられ、その手は埋められている頬へと滑らされた。

その感触があまりにも気持ち良すぎて身体から力が抜ける。
しがみついていた腕も、埋めていた顔も全部。

その間も律動はされていたが前立腺は全くと言っていい程擦られない。

「貴方の顔……またっ見られました、ね」
「ァ、……もっとぉ」

素面の俺が聞いたら首吊りそうな台詞を言う。
前立腺擦って欲しい、なんてのはどちらにせよ言えないが擦って欲しい。
ぐちゃぐちゃにされたい。

「ふふ、もっと……ですか。本当にそれだけですか?」

他に言いたいことがありますよね?

耳元で囁かれ、そのままぴちゃぴちゃと耳を舐められる。
ゾクゾクッと歓喜が背中を駆け巡るが質問には答えられない。

言いたいことはあっても恥ずかしさがそれより上にいて、言葉に出来ない。

「むり、言えな……!」
「良いんですか、指とは比べものにならないくらい気持ちいいのに?」

指よりも気持ちいい……?
どうにかなりそうな快感が脊髄をも溶かしそうなあの快感が、もっとと言うことは……。
期待にきゅ、と古泉を締め付けまた大きくなった。

「僕のでぐりぐり前立腺擦って欲しいでしょう?」
「こ、擦って欲しい!ぐちゃぐちゃになるくらい、前立腺擦っ…………ひやぁぁぁぁ、」

言い終わるより前にごりごりと前立腺を押される。
声を止めることも出来ず、喘ぎっ放しになっているがもうぐちゃぐちゃの思考ではなにも考えられない。

「やら、クる……イっちゃ、」
「僕もっ、そろそろですから、一緒に……」

ぐちゅり、ぐりゅ……となんとも卑猥な音が部屋中に響き渡る。

最後にずちゅ、と前立腺目掛けて入り込み温かい火胞が中で出され、その刺激によりイった。
そのまま目を閉じ、誘われるまま暗闇に潜っていった。

潜る直前、古泉が「さようなら」と言ったがそれに対する質問も何も出来なかった。








次に目覚めると白かった。
天井も、カーテンも、ベッドもなにもかもが。
ここは、どこだろうか?

「おや」

聞きたかった声が近くで聞こえた。しゃり、と言う小気味よい音が一時中断されて。

「やっとお目覚めですか」

声の主を探すと椅子に座って器用に林檎を剥いていた。


帰って、来れたんだ。



そのあと、古泉から今日までの流れを聞き、ハルヒを起こしたりなんやかんやしたあと長門と話した。

やはり長門が原因だった。
が、別にそんなことはどうでもいい。
もう一度あの世界に行かなければならないが、あの詰め襟古泉にはもう会えないだろう。
そう思うと、少し淋しかった。





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