寂しい背中7
「じゃあ、言ってくださいよ」
耳元でこそりと囁かれた台詞を一言も零さずに復唱するよう強制され、余りのその台詞の卑猥さに首をふるふると横に振ったが聴き入られる訳もなく。
「言えないならずっとこのままですね」
戯れにせき止められたままの俺のを扱き、刺激を送る。
もう何に感じているのかも、誰によってされているか頭の中がぐちゃぐちゃで解らない。
「今なら媚薬の影響、快楽に流されてで言い訳できるでしょう?恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ」
膝で俺に刺激を送りながら、右手で頭を撫で、諭すように優しく語りかけてきた。
今なら媚薬の影響で、快楽に流されたから……言っても言い訳できるから、今だけ。
今キモチよくなりたい、言わなきゃキモチよくならないなら言いたい。
「あっ、俺の……」
「キョン君の…?」
先を促すかのように古泉は聞き返した。
「俺の、やらしくイく姿…古泉に見てほしっ……!見てください!」
「僕に見てほしいんですか?」
「見てほしい!俺のから精液びゅーびゅー出るところを古泉に、全部っ!」
古泉に囁かれた台詞だけじゃなく、俺自身が思っていることも付け加え伝えた。
バイブはイヤらしく蠢いていたけれどそんなの関係ない。
古泉を探して肩を掴み、体重をかけて抱き着いた。
「全部、見て……?」
まるで男娼のようだなと自分でも頭の片隅で思ったが頭の中はそれよりも早くイきたいで埋めつくされていた。
いきなり抱き着いてきた俺に、一瞬悩むような空気が流れた後、俺を突き飛ばし、ベッドに押さえ付け古泉は愉快げに笑った。
「良いでしょう、思う存分イってください。ふふ、失神するくらい気持ちいいと思いますよ」
ゴムを外し、バイブの強さを最強にしたのだろう、激しくナカを揺さぶられる。
更に古泉の手でアツく高ぶったソコを扱かれ、舌で乳首を刺激され、有り得ないほどの快感が俺を責め立てた。
「あ、らめ……やらっ!イっ、ちゃっ、」
「良いですよ、見ててあげますからイってください?」
「あ、ひああぁっ!や、出て、るっ、俺の…や、見るな…っ」
古泉は俺がイく寸前に離れ、精液を自分の腹に飛ばしている俺のソレと顔をにやりと笑いながらじっくりと見ていた。
見られるのが恥ずかしくて、顔を手で覆い隠したがすぐに古泉によって払いのけられてしまう。
「隠さないでくださいよ、勿体ない」
未だに出続けているソコに古泉は手を這わせ、緩く優しくでも搾り取るかのように刺激を送る。
後ろに突っ込まれたバイブは漸く止められたがまだ動いている感触がする。
精液を出し尽くしたことに気がつくと手を離し、舐めとりながらもう片方の手で俺の頭を撫でた。
「……っは、…こいずみ」
「甘いですよ、貴方はどこもかしこも。疲れたでしょう?後の事は僕に任せて寝てください」
優しく頭を撫でられながらそう言われ、大人しく俺は瞼を閉じた。身体は悲鳴をあげていたし、疲れていたのは事実だったからだ。
「っん……」
見慣れない天井がお出迎えしてくれた。
俺の部屋じゃないな、誰の部屋だここは。
「目が覚めましたか?」
不意にドア方面から光が漏れ、声が聞こえてきた。
逆境になっているため誰かは判断できないが、このいかにもイケメンそうないい声を持っているのは俺が知っている中で一人しかいない。
「ああ悪い、どれくらい俺寝てた。つーか今何時だ?」
妙に頭がガンガンしているから、かなりの時間眠っていたのだろう。携帯を手探りで探したが見当たらない、時間知りたいんだけどな。
「今は夜中の三時ですよ、随分お疲れの様子だったので起こすのは控えさせて頂きました」
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