[携帯モード] [URL送信]
嘘の皮1


この世の中は、嘘で満ち溢れている。
さっきまで優しかった人間が、他の人と別れた途端急に暴力的になったり、それを回りに気付かれないようにわざと元気に過ごしたり。

この世の中は、そんな嘘が多いのだ。









「それでも、ここに来たのは貴方の意志でしょう?」
「ふ、ぁ……っ、そ、れは……やぁ、」

話している途中なのに、律動はとまらない。がつがつと強く抉られ、言葉が続けられない代わりにいやらしい声が出てくる。

「それは……なんです?それはお前が写真で脅すから、ですか」
「ひゃあん、う……あぁっ」

そうだ、と言いたいのに言葉が出ない。意味のない言葉の羅列以外口から出て来はしない。
そう、俺は古泉に写真で脅されている。あれは俺が起こしたミスで、もし過去に戻れるなら自分に馬鹿なことはやめろ、と忠告したい。
朝比奈さんに頼もうとも思わないことはなかったが、自分が過去経験していないことは頼んでも許可されないだろう。
そう簡単に世界は、過去は変えてはならない。

「ねぇ、あれは誰が起こしたことですか?貴方でしょう?悪いのは全て貴方なんですよ、自分が悪くないとでも思ってるんですか」

ぐりゅ、と奥に深く抉りながら、古泉はそう責める。

「ひぁ……悪いと、思って…る!あれは、俺の……せきに、ひやぁッ」

最後までなんて言わせてくれない、あの日全ては変わってしまった。俺は安心していたのだ、もう誰もいないと、皆帰ったと安心していた。



そう、それは二ヶ月前のことだ。











「……ッ、ん……」

ハルヒ、朝比奈さん、長門が帰った後俺は一人部室に残り、恥ずかしいことなんだが……自慰をしていた。
どうして部室でしているんだ、そんなもん家でやれという意見が多数を占めるだろう。
だが、今日はここにしかないもので自慰しようと思ってしまった。
というかだな、ここにしかない……いや、他のところにも有るには有るがそっちは使いにくいからな、諸々の理由で。
そのものとは古泉の椅子と古泉が持ってきているボードゲームの一つであるオセロだ。

まず、オセロを普通に並べる。
そのあと、古泉の椅子に座れば準備は完了するのだ。
そしてズボンの前を寛げ、左手で扱きながら、右手で最近やった通りに白と黒を交互に並べる。

「ふっ……んん、」



『やはり貴方は強いですね』

記憶の中の古泉が少し困った表情をしながらそう話し掛けてくる。
いつも通り、俺の圧勝で終わったのだ。

『僕はまだ足元にも及びませんね』
「はぁ……っ、こ、いず……んぁ、」

くちゅり、と先走りが左手を濡らす。
右手で操っている盤上ももう終盤だ。
あと五手で古泉は負けを認める。

『ここまで、ですね。やっぱり貴方には敵いませんよ』
「す、……きこい、みぃ…ひゃあ、」
「何されているんですか」

次→
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!