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ハルの場合:番外
Christmas企画:定番編

 12月24日はクリスマスイブ。街は赤や緑のクリスマスカラー、そして綺麗なネオンに彩られてる。


 街中に溢れる幸せなムード。クリスマスグッズで溢れ、番を持つ恋人達が楽しそうに話し合う雑貨屋に、ハルはただ一人むくれ顔のままあるものを見つめていた。

『さむ……。』
『当たり前だろ、ユーグ。相変わらず薄着すぎる。』
『ユーグさん、マフラーとか持ってないんですか?』
『ない。』

 高校卒業後、定例になりつつある月一回の食事会という名のカヅキの惚気会。その帰りの他愛もない会話をハルは思い出す。
 『大切な恋人へのプレゼントに最適!プレゼントの定番!』といううたい文句で飾られている、モスグリーンのシンプルなマフラー。それを睨み付けたハルの眉間には更に深い皺が刻まれていた。

「お、お客様……プレゼントですか?」
「……。」

 いつの間に側にいたのか、爽やかイケメンの店員に話しかけられ、ハルは唇を噛みしめた。




 クリスマスパーティーなんて洒落たものはなく、いつも通りユーグが作り置きしてある料理を食べ終えたハルは、風呂へ入って体を温めるとすぐにベッドへ寝転がった。
 在宅ワークのハルとは違い、毎日忙しそうに仕事へ向かうユーグ。朝早く、夜遅く帰ってくるユーグの生活リズムに合わせる気など毛頭ない。一緒に暮らしているにも関わらず、先日の食事会の日に一週間ぶりに顔を見たのだ。

「……。」

 寝転がりながら、ハルは自分専用のクローゼットへと視線を移す。
 じーっと見つめたのち、小さくため息をついた。

「あー、くそっ。やっぱり、捨てよ。」
「何を。」
「っ?!か、帰って来たなら声くらいかけろ!!」

 突如響いた自分以外の声、そして嗅ぎ慣れてしまったジャスミンの香り。
 誤魔化すように体を起こしたハルは、ネクタイを緩めているユーグを睨み付けた。
 同棲を始めて、ハルが困ったことはたくさんある。その理由から、あえてユーグの生活リズムからずれた、朝遅く起きて、夜早く寝る習慣を身に着けたのだ。

「何を捨てるんだ?」
「だ、だから人の話を聞けってっ!……んっ。」
「ただいま。」
「っ!」

 唇が触れただけで、体中に熱が溢れだす。それに気付かれたくないハルは、必死に手を突っ張った。

「ん、いい匂い……ヤりてぇ。」
「っ、こ、断るっ!んぁっ。」
「まだ触っただけだろ?」

 しかし、ユーグとは腕のリーチが違い、シルクのパジャマ越しに乳首に触れられ、体の力が抜けてしまう。崩れた体をゆっくりベッドへ寝かせ、スーツの上着だけ脱いで放りなげたユーグは、ハルの太腿を跨ぐように押さえつけた。
 そのまま腕捲りをすると、夜風で冷えた指先をパジャマの下に潜り込ませる。

「んあっ!やめっ、うぅっ。」
「もう硬い。」
「ひっ!」

 絆創膏の上からでもしっかりと起立していると分かる乳首を爪で引っ掻くと、ハルは頬を赤く染め、香りを漂わせた。
 いつも通りパジャマを咥えさせ、ユーグは絆創膏をゆっくりと剥がす。

「っ、っ。」
「うまそ。」

 長年育て上げられた乳首は肥大し、ハルの華奢な体に栄えて厭らしい。堪らずユーグは舌を伸ばし、乳輪ごと吸い上げた。

 チュウッ、ベロベロッ、ジュッ

「ふぅーっ!んんっ、んーっ!」

 腰や臍回りを愛撫しながら片方だけ真っ赤に色づいた乳首をユーグはなおも舐め続ける。片方だけ与えられる強い刺激に、ハルはユーグの髪を握りしめながら咥えたパジャマを更に唾液で濡らした。
 一方、下半身もモゾモゾ動かす。しかしユーグにより押さえつけられているため、逃げることはできない。次第にパジャマの色が内側から濃く染められていく。
 抵抗の強くなった下半身に視線を移したユーグは一瞬目を見開いた後、パジャマを咥えたまま涙を零し始めたハルの頬を、涙を拭うように舐めあげた。

「誘ってんの?」
「んんっ!」

 頭を振るハルを無視し、ユーグは手を濡れた下半身へと伸ばすと、色を濃くした、その部分を強く握りしめた。

「んぐ、あっ、ああーっ!」
「履いてないのもわざと?」

 ハルは下着を着けていなかった。シルクのパジャマはユーグの握るそれに厭らしく張り付いている。手を動かされれば、ヌチュックチュッと濡れた音が響いた。
 パジャマ越しでも、与えられた刺激に、思わずハルは甘い嬌声を上げる。手が離れたかと思えば、膝を強引に曲げられ、赤ん坊がおしめを返るような姿勢となり、ハルは更に顔を赤く染めた。

「ここも、濡れてるな。」
「はぁっ!」

 ユーグがパジャマ越しに下を伸ばした場所は、前の部分と同じほど濃い色になっている。中にパジャマを押し込むように舌で突かれ、ハルは慌ててユーグへと手を伸ばした。

「い、やだっ!」
「いやなくせに、どんどんシミ広がるけど?」
「っ!」

 前と同様、張り付いた布が中の収縮をユーグに明確に伝える。言葉で攻めれば、同じタイミングでヒクヒクと動いた。

「まぁ、嫌ならそのままでもいいだろ。」
「ふぅっ……え?な、に……っ?!」

 左膝裏を抑えていた力が無くなったかと思った瞬間、ズボンを履いているはずなのに、冷たい空気があの部分に触れ、ハルは驚愕の表情を浮かべる。ハサミを再び棚へと置いたユーグは、自分を見つめるハルに見せつけるように指に唾液を絡めると、すでにローションを溢れさせていた蕾へと最初から二本強引に捻じ込んだ。

「あぁーっ!やだっ、ユーグッ、やだぁっ!」
「新しい物はまた買ってやる。つーか、本当お前自分で弄るの好きだな。」
「ひっ、あ!んぁっ!やぁっ!」

 男らしい太い指を難なく二本受け入れたそこは、すでに柔らかくユーグの指へと吸い付いてくる。ハルの好きな場所へと指を伸ばせば前のシミは更に広がり、頭を擡げたペニスが窮屈そうにズボンを押し上げていた。

「脱がせてっ、やだっ、ユーグッ!」
「俺が出したらな。」
「ひぃっ!ああぁーっ!」

 既に硬く反り上がったペニスを軽く扱くと、ユーグは遠慮なく口を開いた蕾を貫く。途端に、ハルは全身を痙攣させ、ズボンの隙間から白濁が腹へと流れ落ちた。
 しかし、射精後で虚ろなハルの足を持ち上げると、ユーグは更に奥へと腰を押し付ける。

「うあぁっ、ま、ってっ、イってゅ、イって、からぁっ!」
「挿れたただけでイったな。」
「っ!あっ、あっ、ひぃっ、んっ、ユー、グゥッ。」

 止まる気配のない激しい挿入に、ハルは口を閉じることすらできず、涙を流しながら首を振り続けた。一度力をなくしたペニスもその刺激で再びズボンを押し上げ始める。

「っ、出る。」
「やっ!ま、って!奥、はっ……奥はや、だっ!」

 嫌がる言葉を発しながらも、ハルの腕はユーグの首へと伸び、お腹に力を入れてユーグの射精を促してしまう。
 既に成人となったハルの体は、いつ卵殻が形成されるか分からない。今の年齢で中で出すという行為は、もはや子作りしたいと宣言しているようなものだった。

 パンパンパンッ、ズブッ、ズブッ、グププッ

「……ぐっ。」
「んぁっ……っ、出て……るっ。」

 乱れてはいるが互いに上下の服を着たまま、というあり得ない状態で、中で感じる熱とジャスミンの香りに、ハルは甘い吐息を零した。



「で、何を捨てるんだ?」
「……っ。」

 汗や様々な液体でぐちゃぐちゃになったパジャマを脱がされ、三度の中出しで白濁を溢れさせていた中の処理をしていたユーグに突然話題をぶり返され、ハルはぐったり横たえていた体を強張らせた。
 力が入った途端、白濁が溢れる感覚に顔を顰めながら、顔を伏せたまま自分用のクローゼットを指差す。

「動けないからお前が開けろ。」
「?」
「いいから開けろっ!」

 ハルの迫力に押されたユーグがクローゼットを開ければ、そこには明らかにクリスマスプレゼント用にラッピングされた包みがあった。

「これ……。」
「やる。いらなきゃ捨てろ。」
「……。」
「……っ、んだよっ、マジでいらないなら。」
「ありがとう。」

 中身を見たまま固まるユーグに、ハルは更に顔を顰める。動けない今じゃなければ奪ってしまおうとも思ったのだが、ハルの言葉を遮って嬉しそうに微笑んだユーグに顔を赤く染めて口をパクパク開閉させた。
 ユーグは普段あまり笑わない。子供の頃は笑うこともあったが、今ではハルも滅多にお目にかかることがないのだ。

「っ、べ、別に……たまたま、見かけただけだ。」
「これは俺から。」
「え?」

 恥かしさを隠そうと、顔を枕へ埋めたハルだったが、突然左手を引っ張られたかと思えば、何かを嵌められる。プレゼントの内容を目にしたハルは、今までにないほど真っ赤なると、顔を隠していた枕をユーグへぶん投げた。



「お、無事に貰えたんだね。」
「あぁ。」
「まぁ、あれだけ分かりやすい会話したら、鈍感なハルでも分かるよな。」
「俺も協力しただろ。お互い様だ。」

 後日、そんな二人の会話が繰り広げられているなど、ハルもアキラも知る由もなかった。


終わり



リクエスト
@ハルからユーグへ
Aマフラー
Bでも素直に渡せない
Cユーグからもプレゼント

ありがとうございました。


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