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ミツの場合A
@の続編。妊娠・子供の表現あり。(300000リク)

 この世界には番と呼ばれる自分にとって唯一の存在がいる。獣と番となった者は人里離れた場所で暮らすことが多いと言われてる。


「ミツー?」

 一際人里離れた場所に暮らす甥を訪ねてきた叔母は、誰の気配もない古びた家に首を傾けた。

「おかしいわね。今日は家にいるって話してたのに……。ごめんなさいね。」
「い、いえ……あの、み、ミツ君はここで暮らしてるんですか?」
「そうよ。もともとは私が住んでいたの。」

 何とか舗装された道路が家に続くのみで、周りは薄暗い森に囲まれている。夜になれば、一段と暗くなるのが簡単に予想できる場所に、アキラは思わず隣にいたカヅキの服を握りしめた。

「少し怖いわよね。でも、大丈夫よ。ここは白狼族が守ってくれてる場所だから。」
「は、白狼族?!」
「まさか……。」

 辺りを見回しながら、笑みを絶やさない叔母の言葉に、今度はカヅキも目を見開く。アキラに至っては、カヅキの腕に縋りついた。
 白狼族と言えば、森の暴れ神様として有名な獣である。その姿は教科書でしか見たことがないが、アキラにとって巨大な白い狼など恐怖の象徴でしかなかった。
 そんな二人を見て、叔母は思わず噴き出す。

「ふふ。大丈夫よ。白狼族と言っても、私の血を引く子たちがほとんどだから。人間を襲うなんて、彼らの意識にすらないと思うわよ。」
「……血、ってもしかして……。」

 縋りつくアキラを抱きしめ、カヅキは優しく微笑む叔母の正体に気付いた。

「私の番は白狼族の長だったの……あ、やっと来たわね。」
「来た、って……ひっ?!」
「待て、ジーファ!」

 懐かしい声が響いたかと思えば、アキラは急に現れた白い物体に目を奪われた。襲われる、と思った瞬間、カヅキがアキラを庇うように抱きしめる。一段と強い木の香りがアキラを包んだ。

「ソルッ!」
「ワンッ!」
「キューンッ!」

 子犬が鳴いたような声と共に、カヅキに阻まれているアキラの視界の一部に、更に大きな白い物体が現れる。その口には先程アキラ達へと突進してきた物体、否、白狼がぶらん、と咥えられて尻尾を下げていた。

「ジーファッ、お前は何度言ったら分かるんだ。突進して近付くのはやめろっ。」
「キューッ。」
「でもじゃない。もし相手がびっくりしてお前を攻撃したらどうするんだ。」

 ジーファと呼ばれる白狼が耳を垂らして鳴くのに対し、毛先が赤色の金髪の男が強く。その姿はまるで母親のようだ、とアキラは思った。

「ちゃんと親をしてるのね、ミツ。」
「全然だよ。ジーファがワンパクすぎてどうしたらいいか……あれ、あんた……。」

 その男は、アキラの良く知るミツとは違っていた。真っ赤な髪、ブルーの目ではなく、柔らかな金髪と漆黒の色を宿した瞳、そしてなによりいつも不機嫌そうな、誰も寄せ付けない雰囲気を纏っていた姿が嘘のように穏やかな笑顔を浮かべていたのだ。
 そんなミツがアキラを見た途端、表情を歪める。アキラは自分を庇っていたカヅキを押しやり、地面へと頭を付けた。

「ご、ごめんっ。俺、あんたにずっと謝りたくて……っ、ひ、酷いこと言って本当にすいませんでした。」

 突然の土下座に、ミツからは何も返答がない。沈黙が続くかと思われたとき、アキラの視界に白い足が見えた。

ベロンッ

「ワンッ!」
「ひぃっ!」
「……ふふ、ははは。ジーファが許すなら、俺は何も言わないよ。」

 アキラの頬を舐めたのは、大きい白狼に咥えられていたはずの、ジーファだった。驚くアキラを余所に、ジーファはその顔を舐め続ける。まるで、涙をぬぐうような仕草に、ミツが楽しそうに目を細めた。





「久しぶりに人にあった気がするなぁ。」
「……寂しいのか。」

 古びていながらも、台所やトイレなどの機能はしっかりしている家の中で、ソファー替わりにソルファの身体に背を預けていたミツは、今日から友人となった男の顔を思い出し笑みを浮かべた。そんなミツの頬をソルファが舐める。

「寂しいわけじゃないよ。俺にはソルとジーファがいる。」

 いつもなら自分の足元で丸まって眠る熱は、叔母と共に友人を見送りに出かけていた。
 柔らかな毛皮と大好きな花の香りに包まれ、ミツはゆっくりと目を閉じる。
 時折叔母の差し入れはあるものの、殆どは畑やソルファ達が持ってくる食べ物で自給自足する今が辛くないとは言えないが、それでも今の生活を選んだのは自分だ。

『アイツが番じゃなくて良かった。』

 当時は悔しくて辛かったあの言葉。でも、ソルファと出会ってからは、友人、アキラに会うまで忘れていたほど幸せなのだ。

「ソルは俺が番で良かった?」
「当たり前だ。俺はお前がいい。」
「……俺も、だよ。」

 ソルファの返答に思わず赤く染めた頬を舐められ、ミツはその鼻先へと口付けた。その間にソルファの前足が器用にミツの衣服を脱がせていく。

「そ、ソルッ、ジーファが……。」
「大丈夫だ。ジーファは向こうに泊まると言っていた。今日はもう戻ってこない。」
「は?何それ、聞いてない。」

 ジーファが帰ってくる、と抵抗するミツに覆いかぶさったソルファの瞳が怪しく光った。ぶわっと強くなる花の香りに、ミツは目を見開く。

「寂しくならぬよう、もう一匹、子を作ろうか。」
「んっ……ふ。」

 長い舌でまだ母乳が終了したばかりの乳首を刺激され、思わず甘い声が零れ落ちた。

 白狼族は番の年齢を問わず、番であれば子を成す卵殻を形成させることができる。しかし、受精する確率が低いため、頻回に体を繋げる必要があった。そのため子作りには相手の負担が大きいのだ。

 ブチュウッ

「ひぃっ……あぁっ。」

 瘤が小さくなった途端、中から溢れ出す精液にミツは体を震わせた。しかし、ペニスが抜かれる様子はなく、引き続き律動が繰り返される。

 グチュッ、ズブッ、グチュゥ

「やあぁっ、ダメッ、ソル……ひぅ、待って!」
「ミツ……ミツ……。」

 柔らかな毛皮から抜け出そうともがく体を無理矢理前足で押さえつけ、ソルファはより深く体を密着させる。
 強引にソルファに運ばれたのは、白狼族が番と交わる場所。一族に守られたその寝床は、誰にも邪魔されることはない。

「ま、って、お腹、いっぱいだ、からっ。」
「もっと満たしてやる。」
「あぁっ!」

 しこりを擦られ、ミツのペニスから薄い白濁が零れ落ちる。もはや何度達したか分からなかった。
 それほどまでに、白狼の交尾は長いのだ。ジーファを身籠ることになったときも、一日中ミツの腹は凹むことなく繋がっていた。

「んんっ……い、イったからっ、待ってぇっ!やだぁっ。」
「はぁっ……ミツ……良い匂いだ。」
「ひっ!」

 中の精液が掻き出されたかと思った瞬間、再び中の瘤が膨らみ始め、ミツは体を強張らせた。泣き続けた黒い瞳は、目元を真っ赤に染めて潤んでいる。

「ふぅっ……んっ、ぁ。」
「出る、ぞ。」
「う、んぁ……ひっ。」

 ビュルルルルッ

 ソルファの動きが止まり、熱が中に叩き付けられるような感覚と共に、再びあの苦しさがミツを襲った。

「ぐ、る……しっ。」
「ミツ……愛している。」

 ソルファの前足にしがみつき、顔を歪めるミツをソルファは何度も舐め続ける。
 膨らみ続ける腹部に、新たな生命の誕生を祈りながら、ミツは耐え切れず意識を手放した。

 白狼族にまた、一匹仲間が増えるまでもう少し。


終わり

リク:ミツの続編

通りすがりです様リクエストありがとうございました。
白狼族は年齢関係なく番に卵殻を作れるので、ミツはまだ十七歳です。

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あきゅろす。
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