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理想の男
CP:○○マニア攻×チャラ男

 昔から割とモテる方だった。俺が誘わなくても、少し優しくすれば相手から必死にアピールしてくる。だから、いつもその中から選択するだけだった。だけど。

『ごめん、もう東(ヒガシ)にはついていけない。』

 もはや自分の中では禁句に近いその言葉で、俺はまた”振られてしまった。

「なんだよぉーっ、俺が何したんだよぉーっ。」

 残っていた焼酎を一気に飲み干し、心の底から叫んでやった。近所迷惑と言われようが関係ない。だって俺の部屋じゃないし。

「叫ぶな。……ったく、何でお前振られる度に俺のとこ来るんだよ。」
「……っ!西(ニシ)まで俺を捨てるのかよぉ……。」

 アルコールでふわふわする体を動かし、隣で黙々と飲んでいた西の袖を掴む。西とは同じサークルになったときからなんとなく気が合って、主に俺が強引に押しかける形でよく飲んでいる。
 西は綺麗な黒髪に黒縁眼鏡でいかにも真面目ってやつだから、茶髪でカラコン入れて『ちゃらんぽらん』『あほっぽい』って言われる俺と正反対。今でも何で仲良いのかわからん。ただ、振られた俺をいつも慰めてくれるのは西だった。他の友人達には早々に『面倒臭い』と振られたから。

「……いつも捨てるのはお前だろ。」
「んー?何?」
「……なんでもない。」
「何だよぉっ、どうせお前も俺のことマイペースだとか自己中だとか言うんだろ……。」
「あー。それか、お前振られる理由。」

 納得したように頷く西に、俺は顔を顰めた。
 彼女がいるって言っても俺だってしたいことあるし、気になるライブだって行く。何より気づいたときに即行動って重要だろ。

「うっせーっ……俺が気になったら止まんねーの知ってるだろ。」
「まぁな……。」
「あーどこかにいないかなー。俺のこと大好きで、でも束縛しなくて、ちゃんとついてきてくれる大和撫子。」
「いるか、そんなの。」

 バフッと体をソファーへ倒し、俺は近くにあったクッションを抱きしめた。しっかり体中に回ったアルコールは体温を上昇させ、エアコンが効いた部屋でも暑くなる。つか、暑い。

「暑いーっ。西、もうちょっと温度下げて。」
「あほ、寒いわ。」
「だって暑いー……んー……。」
「おい、脱ぐな。」
「やーだー。」

 暑くて、俺はたまらずTシャツを脱いだ。直接クッションが肌に触れる感覚がくすぐったくて思わず体を捩じらせる。西が何か言ってTシャツを着せようとしてるけど、必死に抵抗した。汗ばんだ体にTシャツなんて着たら張り付いて気持ち悪いし。

「はー……風が気持ちいー。」
「……っ、おい。襲うぞ。」
「んー。」

 西の手が肩に触れたが、俺はTシャツを被せられないように頭を西の背とソファーの隙間に捻じ込んだ。
 あ、西の匂いがする。俺と違って香水つけないくせにいい匂いするんだよな、こいつ。

「……はぁ。もう襲うからな。」
「んー。」

 狭い隙間ってなんでこんなに落ち着くんだろう。
 酔いも回って眠くなってきた俺はゆっくりと目を閉じようとした。

「……んー、っく、くくくっ。ふ、ははははっ!」

 突然体に感じたくすぐったさに、寝ようと思っていた頭が混乱する。慌てて胸を見れば西の手が横腹を撫でているのが目に入った。

「ちょ、西っ!やめろって。」
「……。」
「はははっ!ひーっ、ふくく。」

 笑い続ける俺にかまうことなく、西の手が俺の体を撫でていく。酒で力の入らない俺ができる抵抗なんて些細なもので、手は体から離れない。

「ギブアップ!もー許して、ひひっ……んっ!」

 笑いすぎて息が荒くなってきたとき、西の指が右の鎖骨下を押し、俺は思わず変な声を出してしまった。同時にぶわっと体の中に熱が走る。だってそこはやばい。そこはまずい。

「に、西っ、もーやめろっ!ふざけす、あっ。」
「……。」

 慌てて鎖骨を庇うように体をソファーへ隠したけど、西は強引に指を伸ばしてくる。

「んっ……ちょっ、や……う、あっ。」

 グリグリ押されたら、もうたまらなかった。だって、そこは歴代の彼女たちが口を揃えて言う俺の『性感帯』だから。

「……っ、……っ。」

 力が抜け始めた体を強引に仰向けにされ、人の体に跨っている西と視線が合う。

「な、んのじょー、だ。」
「冗談じゃない。」

 男に、しかも親友に馬乗りされるなんて、冗談とかじゃれてるとき以外あり得ないわけで、しかも西がじゃれるとか想像もつかなかったわけで。
 どういうこと、どういうこと、と混乱する俺の目の前で、西が自分の指を加えて舐め始めた。赤い舌が指を這う光景に、思わず唾を飲み込む。
 だって西が、男が皆大好きな猥談のときすら興味のなさそうな顔で酒を飲んでた西が、俺に跨って明らかにそういう意味を含んだ顔で舐めてるんだから。

「に、西?西さ……ひぅっ!」
「このまま真っ赤になるまで、な。」
「っ、んん……に、し、やめっ、あっ。」

 濡れた指が乳首に触れ、先っぽを捏ねるように弄り始める。逃げようともがけば、鎖骨下を押され力が抜け抵抗もろくにできなくなった。乳首を捏ねられ、押され、先を優しく擦られ続け、彼女に舐められても全然感じなかったはずの部位がジンジンと熱を持ち、腰がむず痒くなってくる。

「……良い色になってきた。」
「はぁ、はぁ……に、しっ?!あぁっ。」

 なんか声が近くなった、と思った瞬間、熱いものが乳首に押し当てられ、その正体を知った俺は思わず西の黒髪を握りしめてしまった。

 ジュゥゥゥッ

「ひぃっ、あぅ、あ……んや、あっ。」

 ジュッ、ズズッ、ピチャピチャッ、チュゥゥッ

「ひっ、ひっ、ああっ、に、しっ、にしぃっ!」

 まるで何かを吸い出そうとしてるかのように、強く乳首に吸い付かれ、俺は頭を振り続ける。そうしないと、強い快感に飲み込まれそうだった。
 口と指で交互に刺激され敏感になった乳首には、唾液がエアコンの空気で冷えるのも辛い。何より、下半身が疼いて仕方がない。腰を動かそうにも西の足で押さえつけられすり合わせることすらできないのだ。

「に、しっ、西っ、ゆ、してっ……も、やぁっ。」

 チュウッ

「ひぃっ!」

 抵抗しようと黒髪を引っ張っても逆に強く吸い付かれ、ビリビリッと腰に刺激が走る。その刺激で無意識に胸をそらし、西の舌に胸を押し付けてる形になる。もはや最悪の悪循環だった。








「ん……こんなもんか。」
「っ……ぁ。」

 唾液で濡れた乳首と、自分の舌をつなぐ糸を舐めとり、西はようやく顔を離した。薄茶色だった乳輪はもはや同じものとは思えないほど卑猥に色づいており、乳首はぷっくりと肥大している。その光景はまさに西の求めていた理想の乳首そのものだった。

「なぁ、東……って、気絶してんのかよ。」
「んぅ……。」

 声をかけても反応のない東は、長い睫と興奮して血色の良くなった頬を涙で濡らし、男にしては綺麗な唇から唾液を零し厭らしく首筋を汚していた。
 西が股間へと視線を動かせば、そこには尿ではないもので濡れた跡がスエットに広がっている。ゆっくりとズボンと下着を脱がし、精液で汚れ力なく萎えたペニスを握り、西は口端が上がるのが抑えられなかった。

「これでお前の乳首は俺のものだ。」

 赤い乳首と精液塗れのペニスが映るように自分の携帯と東の携帯で写真を撮る。最後に汚れたペニスを自分の舌で綺麗にして、もう一度濡れたズボンをはかせ、乳首を隠すように上着を元に戻す。
 ソファーで眠り続ける東へ、寝室から持ってきた東用のタオルケットをかけ、自分はベッドへと体を横たえた。


終わり


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あきゅろす。
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